木枯らしが冷たい一日でした。
お昼前後には 20m/sec に近い猛烈な西風が吹き荒れていましたが、夕方近くなって風はやや弱くなってきました。
地植えの株を植え替えるつもりで、朝、用土をガレージから運び上げました。
しかし冷たい西風に負けて、植え替え作業は明日に順延と決めました。
その代わり、3年前に失敗した「接ぎ挿し」に再チャレンジしてみようと、急に思い立ちました。
確実園の前野さんに頂戴したご著書「一枚上手のバラの咲かせ方」ですが……
このご著書を頂戴した年の冬に「接ぎ挿し」を実践したのですが、
というわけで、見事に失敗しました。
今年の冬は接木用の台木を入手することができませんので、この機会に「ダメもと」で再チャレンジしてみようと、今朝、急に思い立った次第です。
3年前の失敗に関しては、2つの反省点があります。
1・挿し木後、寒風吹きさらしの戸外に置いたこと。
2・穂木として、台木に接ぎ木する時と同様に、硬く締まった1番花の枝を使ったこと。
で、今回は反省の上の実験として、
1・接木の置き場所は玄関内。
2・穂木として、a・硬く締まった1番花の枝 b・秋花の咲いた柔らかい枝 c・秋花の枝の芽を「張り芽接ぎ」
を試してみることにしました。
その作業をご覧ください。
スタンダードの台木を作ったり、挿し木して切り接ぎの台木にしたり、種を採集して自家製台木を育てたり……と、様々な「お遊び」をするために、トゲナシノイバラを1鉢育てています。
そのツル枝を1本、根元から切って半日ほど水を吸わせました。
以下、接木の作業です。
全ての芽を削ぎ取ります。
うっかり見落とした芽があって、それが挿し木をした時に地中に入ってしまうと、その株は永遠に台芽に悩まされることになります。
芽を見落とさないように注意深くナイフを入れます。
通常の切り接ぎと同様に、台木と穂木の形成層を合わせます。
通常の切り接ぎの詳細は、
などをご覧ください。
接木テープをしっかりと巻きます。
パラフィンがあればこの状態でコーティングをしますが、今日はその用意がありませんので、穂木の部分まで接木テープ(ニューメデール)を巻きました。
テープを巻く際、穂木の芽の部分は一重だけ巻くのが無難だと思います。
台木の先端を斜めに切って、すぐに挿し木します。
また今日は、前野さんのご著書には書かれていない無謀な試みもしてみました。
それが張り芽接ぎ(フォッケルト改良法)です。
昨年の大晦日の接木作業で苦手な張り芽接ぎに挑戦し、2株試しました。
何とその2株とも成功しましたので、いい気になって「接ぎ挿し」にも応用できないかと思った次第です。
穂木から芽を取ります。
芽の上5㎜程度のところからナイフを入れ、芽の下5~7㎜まで水平にナイフを進めます。
次に芽の下5㎜位のところに斜めに角度をつけてナイフを入れ、芽を取り外します。
取り外した芽の部分と相似形に、台木にも切り込みを入れ、そこに芽をはめ込みます。
その際に、芽の裏側についている木質部を取り外す必要はありません。
芽と台木の形成層をぴったりと合わせて、接木テープを巻きます。
芽の部分にはテープが掛からないようにするか、または掛かっても一重だけにします。
台木の下部を斜めに切り、また芽の上1㎝程度で水平に切って挿し木します。
今回の実験に使用したのは、樹勢の強い品種「千羽鶴」と「レッド広島」、そして何株あっても困らない(家内には叱られますが)「魅惑」です。
なお、張り芽接ぎを行ったのは「魅惑」だけ……実は他の2品種でもやろうと思ったのですが、やはり芽接ぎは苦手。。。
芽接ぎの作業をしている間にワヤクチャになって……「ええい!やっぱりやめた!!」と give up した次第です。
それにしても、例年の接木作業を終えた時には充実感が残るのですが、今日は切り接ぎ作業をしている最中に「手ごたえ」を感じませんでしたので、やっぱり失敗に終わるかも。。。
12月15日の接木講習会にトゲナシノイバラのツル枝を持参いたしますので、興味のある会員さんは「接ぎ挿し」をお試しください。
さて、明日は風も収まって地植え株の植え替えができると思います。
夕方には体力を使い果たして、ヨレヨレになっているかも……