来週の日曜日(10月1日)は「やさしいばらの育て方」講習会です。
午後2時から4時まで、場所は例によって長居植物園 花と緑と自然の情報センター1階のセミナー室です。
今回のテーマは10月・11月の手入れです。
10月の開花までの薬剤散布と開花中の管理、11月の花後の整理・施肥などの話になります。
また12月の接ぎ木講習会の折にご希望の品種がございましたら早めにお伝えいただくと、穂木の確保の時間に余裕ができて有り難いです。
その他、ご相談・ご質問等がございましたら、お伝えください。
わかる範囲でお答えいたします。
なお、いつも通り会員様以外は原則として予約が必要(花と緑と自然の情報センター 06-6694-8788)ですが、当日、会場でも受け付けますので、お気楽にご参加ください(教材費¥200をお願いいたします)。
今朝の採花、いつもよりも少なめでした。
さて、本日の大仕事(とは言っても1時間足らずで終わりましたが)は、スタンダード仕立ての接ぎ木(芽接ぎ)作業でした。
知人からウィーピング スタンダード(ツルばらの傘仕立て)を作るよう依頼されていましたので、6月にトゲナシノイバラを挿し木してウィーピング用の台木を作りました。
スタンダード台木作り - 関西ばら会 (hateblo.jp)
その台木は3本とも活着し、根元の方から随分太くなっています。
今が芽接ぎの最適期(9月20日~10月20日頃がベストシーズン)です。
失敗したら接ぎ直す時間の余裕も必要ですから、取り急ぎ本日(1回目の)芽接ぎをした次第です。
手順をご紹介します。
スタンダード台木が準備できていれば、必要な道具は2つだけ。
芽接ぎ用のナイフと接ぎ木テープ(私はNew メデールを使います)。
芽接ぎに使う芽は花が咲き終わった頃のステムの中段あたりです。
(今回はタイミングの良いステムがありませんでしたので、開花前の枝を使用しました。)
黄色の円内の芽がふっくらとしてエエ感じでしたので、この部分を使います。
まず、接ぎ芽を整えます。
必ず葉柄を残して葉を切り落とします。
葉柄を残すのは、1・台木に差し込みやすくするため、2・活着したかどうかを見極めるため(後述します)です。
芽の下1㎝~1.5㎝の辺りから上に向かって木質部を鉛筆削りの要領で削ぎ取ります。
芽の上1㎝程度まで削いだら、真っすぐ横にナイフを入れて切り離します。
削ぎ取った芽の裏側に付いている木質部をとりはずし、緑色の樹皮の部分だけにします。
これで接ぎ芽の準備は終わりです。
緑色の樹皮の裏側が乾かないよう、私は口に含みます。
農薬が掛かっていて心配だと思う方は濡らしたスポンジやキッチンペーパーの上に置いてください。
次に台木の準備です。
希望する高さを、まず浅く横に切り込みを入れます。
切り込む幅は、準備のできた接ぎ芽の幅より少し広い程度です。
次に浅く縦に切り込みを入れます。
切り込む長さは2.5㎝程度(準備した接ぎ芽の長さ)です。
出来上がったT字型の切れ込みを軽く開きます。
この観音開きの所に上下を間違えないよう接ぎ芽を差し込みます。
この時、接ぎ芽の所に葉柄がついていると差し込みやすく、また芽の上下を間違えることもありません。
芽の緑色の樹皮が、台木の観音開きの両側の扉の中にすっぽりと収まるように調節します。
芽が観音開きの中にうまく収まれば、接ぎ木テープを巻きます。
この時、芽の上にテープが被(かぶ)さらないように注意します。
芽はテープの隙間から見えるようにします。
これでスタンダード(ウィーピング)の芽接ぎが完了しました。
10日ほど経過して、接ぎ木テープから出ている葉柄に軽く触れてみます。
その時、ポロリと葉柄が落ちれば接ぎ木は成功、活着した合図です。
葉柄が萎びて芽から離れないようなら活着していない合図、まだ接ぎ木期間内ですから改めて接ぎなおします。
知人に依頼されたのは1本だけでした。
台木は残り2本ありましたので、それぞれ1mほどの高さで普通のスタンダード仕立てを作りました。
接いだのはこの2~3年凝っている「絞り系品種」です。
夕方、定期薬剤散布の前に地植えの株を見ると、
しばしば見かけるクビキリギリスかとは思いますが、それにしては触角が短いのが気になります。
何よりもクビキリギリスの特徴である赤い唇ではありません。
ひょっとしたらクビキリギリスの幼い個体かな?
それともヒメクサキリなど別の種類かな?
詳しい方がいらっしゃればご教示ください。
それにしてもとぼけた顔をしています。
もちろんキリギリス・ツユムシの類は蕾などを齧(かじ)る害虫ですので、この後例によって「フミツブース(踏み潰す)」で処分しました。
というわけで、夕方に定期薬剤散布をしました。
今日のレシピは、
サンヨール乳剤(殺菌・殺虫剤)……160㏄
プレオフロアブル(殺虫剤)……80㏄
アプローチBI(展着剤)……100㏄
水……100ℓ
今週もまだ未展開の柔らかい葉がたくさんありますので、薬害に注意して本来の濃度の80%ほどになるよう、薬剤の量を減らして散布しました。