関西ばら会

長居公園にて「やさしいばらの育て方」の講習会を原則偶数月・第1日曜日・14時~16時に開催しております(要予約 教材費200円必要 お申込み 花と緑と自然の情報センター 06-6694-8788 )また、常時会員の募集を行っています。Mail: kansaibarakai@yahoo.co.jp にお問い合わせください。

関西ばら会です! 長居公園内「花とみどりと自然の情報センター」にて「やさしいばらの育て方」の講習会を行っております。(要予約 教材費200円のみ必要 原則偶数月 第1日曜日 14:00~16:00 お申込み・お問い合わせ 花と緑と自然の情報センター 06-6694-8788) Mail: kansaibarakai@yahoo.co.jp

エエ写真?が撮れました

本日10月2日は朝から鉢植えに灌水した後、月イチで通っている病院を巡り、午後からは今月末の「大阪ばら展2021」関係で、大阪市に提出する申請書類の作成で時間がつぶれました。

 

そんな中、いくつか面白い写真が撮れました。

まず、9月23日「秋分の日 お遊び」でご紹介したスタンダードの芽接ぎ、今朝見ると葉柄が無くなっていました。

つまり「ポロリと落ちた」ということで、芽接ぎは(多分)成功しています。

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10月2日 芽接ぎ活着?

心なしか芽が動いているようにも見えます。

 

めでたいニュースの後は、暗いニュースが続きます。

しかし「写真」としては「エエもん」が撮れて満足しています。

 

まず、害虫2種類。

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クビキリギリス 1

 

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クビキリギリス 2

秋の訪れを知らせてくれる風流な虫……と思って気を許してはいけません。

ステムの先頭にせっかく乗った蕾が、こう なったこと、ありませんか?

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キリギリス類によるの食害

これはクダマキモドキによる食害です。

市販のバラ栽培の教科書にはあまり記されていませんが、ツユムシ・ツユムシダマシ・クダマキ・クダマキモドキなど、キリギリスの類はばらを食害するれっきとした害虫です。

ただし、イネ科の植物を食害することが多いようで、ばらにとって重大な害虫ではない……とはいうものの、しかし「食う時は食う」ヤツです。

写真のクビキリギリスも主食はイネ科の植物ですが、ばらの枝にとまっていたからには見逃すわけにはいきません。

テデトール駆除 といういつものパターンで処理しました。

(このクビキリギリスはばらの枝で休んでいただけで、「冤罪」だったのかもしれませんが、「怪しきものは罰する」というのがコンテスト派……否、私の基本です。)

 

次、一昨日、マーガレット メリルが1輪だけ こうなってました。

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スリップスの被害

言わずと知れたアザミウマ(スリップス)の被害です。

近づくと、

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スリップス

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スリップス(拡大)

2㎜近い大型のスリップスですので、ヒラズハナアザミウマかミカンキイロアザミウマです。

被害花は一輪だけで他に広がっていませんので、大掛かりなスリップス対策の薬剤散布はまだ不要かとは思いましたが、夕方の薬剤散布ではスリップスの防除効果の高いコテツフロアブルを採用することにしました。

 

そして本日のベストショットは、これ   鉢植えの「みつえ」さんです。

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腐らん病

枝枯れ病(キャンカー)の一種ですが、8月の講習会にご参加いただいた方は、テキスト P.66 をご覧ください。

こんな説明を書きました。

(3)腐らん病

病斑は大型です。しかも病斑内部の色が白っぽいので、慣れれば(……あまり慣れたくはありませんが)(1)の枝枯れ病、(2)のすそ枯れ病との区別は容易です。病斑をもう少し詳しく観察すると、枯死した部分は灰白色で周囲は赤紫色、病斑内部に小さな黒点がたくさん見られます。枝枯れ病に見られる縦の亀裂は、腐らん病では見られません。通年発症しますが、春先と秋霖シーズンに多発します。春先は寒害の影響で前年生の枝が侵され、秋霖時には子のうや分生子が飛散するため、当年生の枝が感染する可能性が高まるためです。病原菌はバルサ ケラトスペルマという糸状菌の一種で子のう菌類に属します。

(1)~(3)の枯れ枝病はいずれのタイプにも有効な薬剤はありません。オーソサイド水和剤にばらの病害として「茎腐病・立枯病・苗立枯病」の登録がありますが、発症した枝を治療する薬効は全く期待できません。予防効果があると認識すべきです。また「予防効果」という観点であれば、菌類一般に抜群の効果があるTPN剤(ダコニール)をはじめとする殺菌剤を定期散布して、感染を予防することに徹することが大切です。冬期に石灰硫黄合剤(ばら・花卉類の適用登録はありません)を濃厚散布するのも予防効果があると言われています。不幸にも発症してしまった場合は、治療は不可能です。即刻発病枝を健全部分まで切り下げます。またその時に使用した鋏は、必ず熱消毒(ライターで数秒)することをお忘れ無く。さらに枝の切り口から病原菌が侵入しないように、ふだんから剪定鋏は清潔であることを心掛け、よく切れる状態にしておくことを習慣づけたいものです(自戒の言葉です)。

 

解説で書いた通りの典型的な症状で、思わず笑ってしまいました。

しかし笑ってばかりもいられませんので、記念撮影の後、切り戻しました。

この秋は、台風被害から始まった葉の欠落→クロロシス→枝枯れ病……と、鉢植えの連中は災難続きです。

 

夕方、薬剤の定期散布をしました。

前述した通り、スリップスの発生が見られましたので、殺虫剤はコテツフロアブル(劇物)を使用しました。

また殺菌剤のトップジンMは先々週(9月19日)にも使用して、ローテーションの間隔が狭くなりました。

それはトップジンMは少し薬跡が残ります(3~4日ですが)ので、開花期にはあまり使いたくありません。

あと10日もすれば、そろそろ秋の花が咲き始めますのでトップジンMを使えなくなります。

そこで今日、あえてローテーションを破って使った次第です。

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10月2日 定期薬剤散布

トップジンM水和剤(殺菌剤)……65g

コテツフロアブル(殺虫剤)……50CC

マルチ・ケーミン(微量要素剤)……100CC 

アプローチBI(展着剤)……100CC 

水……100ℓ

 

幼葉がほぼ展開していますので、薬剤は既定の濃度です。

微量要素剤のマルチケーミンは、発色をよくするためにコンテスト派の皆さんが開花前に講じる「奥の手」「秘策」「奥義」の類です。

ただし今回は、鉢植えの連中のクロロシス治療が主な使用目的です。

 

では明日、長居公園内「花とみどりと自然の情報センター」にて、14:00より講習会を開催いたします。

皆様よろしくお願いいたします。