東海~関東方面は今日も大雨というニュース……お見舞い申し上げます。
明石はお陽さまが時々雲に隠れるものの、青空の多い天気。
朝から多くの花を採花し、カメラに収めました。
中でも今日は、
春花よりも秋花に良花が多い「ピン ラス」ですが、今朝は花弁の枚数も花の大きさも秋花並みの良花が咲きました。
また、常連さんですが、
この「魅惑」は5番花ですが、これだけのボリュームがあります。
やはり優れた品種だと思います。
これ以外の花を並べます。
これも5番花ですが、さすがに小さい小さい。
「パープル」と名付けられていますが、紫というよりもローズピンクの品種です。
登録はHT種ですが、我が家ではフロリバンダ種として栽培しています。
「ゴールド バニー×サマー レディー」の交配種だそうですが、母親のフロリバンダ性を強く受け継いでいるようです。
以下は正真正銘のフロリバンダ種です。
暑い間は絞りがわずかに出る程度です。
いずれも細枝に単花で咲いています。
私はフロリバンダ種に「秋花剪定」はしません。
その代わり採花する際、2回に1回ずつ「深切り」をしています。
この細枝に咲いた花は、採花の時に1段下の(多少は)太いステムまで「切り戻し」をして、5月から12月まで絶えず「マンマイちゃんの花(仏壇花)」を確保できるようにしています。
さて、本日から「秋花剪定」を始めました。
毎年、紙上(ブログ上?)実習をしていますが、とりあえず本年度分です。
ただし、いつも申し上げますが「秋花剪定」は全ての皆様の必須の作業ではありません。
コンテスト派の方々と、1年で最も美しい秋ばらを「より美しく見たい」というガーデン派の皆様が行う作業です。
我が明石では10月20日前後に咲くばらが、年間で最も美しいと思います。
それよりも早く咲く花は夏花のように花弁数が足りず、大きさも劣ります。
それよりも遅く咲く花は、毎年10月25日頃から吹き始める強烈な西風(勝手に「木枯らしマイナス1号」「木枯らし0号」と呼んでいます)によってボロボロになります。
20年ほど前まではコンテストの日程に合わせて剪定していましたが、現在では味わい深い秋花を10月20日頃に咲かせるための剪定になっています。
その剪定の日取りも、以前は太陰太陽暦(旧暦)の7月15日と二十四節気の「処暑」とのズレで決めていましたが、地球温暖化の影響で世界の気候が変わってしまいましたので、それもアテにならなくなりました。
各種の気象情報を集め、9~10月の気温と雨量を予測して、そして何よりも仕事の休みを取れるか否かによって剪定の日が決まります。
さて、今年のサンプルはこのブログのプロフィール画像になっている「アンペラトリス ファラー」です。
我が家のばらの中で最も遅咲きの品種です。
まずは剪定前の姿ですが、1週間前に台風対策として上方2段(1m以上)を予備剪定して低くしてあります。
最初に一番太い、向かって左の枝から剪ります。
枝を観察すると、
「秋花剪定」においては「剪定位置に葉があること」が絶対条件です。
2段目にはタップリと葉があり、そこで剪ることも充分に考えられます。
しかし「ファラー」は直立高性の品種ゆえ、樹高が高くなりすぎます。
1段目にも数枚の葉がありますので、出来れば1段目で剪りたいと思います。
1段目と2段目の「節(ふし)」の部分を見ます。
2段目最下部が①の芽ですが、この芽よりも②の「節(ふし)」の部分に隠れている芽(伏し芽)の方が、勢い良く伸びます。
③の芽はすでに掻き取ってありますので、剪定位置にはなりません。
もしもこの「節」を剪定位置にするならば、赤線②で剪ります。
ただし「節」で剪った場合は複数の芽が同時に動きますので、2週間ほど後になってから勢いの良い1芽だけ残して、他を掻き取る必要があります。
それが面倒なので、「節」の下方を見ます。
掻き取ってある③の芽の下、葉の付け根に見えている④は健全な芽です。
これに対し、別の枝の画像ですが、
こんな動き始めている芽には注意してください。
この芽で剪定すると、夏花の名残のような貧弱な花が早々に咲いてしまいます。
さて、上の画像の④の芽を剪定位置にして、赤線④で剪ります。
剪り方は例によって、芽の上5~7㎜を芽に平行に(=やや斜めに)スパッと。
この枝の高さに合わせて、他の枝も剪ります。
通常はこれで剪定完了ですが、確実に芽が動き出すように、私はもうひと手間を加えます。
毎度申し上げる通り、剪定した最上部の葉をむしり取り、芽をむき出しにします。
剪定したすべての枝の最上部の葉をむしり取り(黄色円内)、これで剪定完了です。
今日はこの「アンペラトリス ファラー」(鉢植え2株)以外に、「ラ マルセイエーズ」(鉢植え1株・地植え1株)、「武州」(地植え1株)を剪定しました。
株元を見ると、
枯れてしまったシュートがありましたので、まずそれを整理。
また「武州」には、一部に問題が……
枝を見やすくするためにブルーシートを入れたのですが、不細工な画像になりました、スンマヘン。
それはさて置き、7月のべと病騒動で下葉を落としてしまい、剪定したい場所に葉がありません。
そこで奥の手です。
切り花業者さんが行う「折り曲げ剪定」をします。
まずは先端の蕾をカットします(黄色円内)。
剪定したい位置(=赤色円内)で健全な芽を探します。
①の芽は動いていますので、葉があれば②の芽で剪定したいところです。
が、葉が無い……というわけで、②の芽の上1~2㎝を折り曲げます。
上部を折り取ってしまわないように、緑色の「樹皮」で繋がっているようにします。
2週間ほどして新芽が伸びれば、折り曲げた部分を切り捨てます。
以上、本年度の「秋花剪定講座」でした。
なお、2023年分は、
ブログ版・秋花剪定(その1) - 関西ばら会 (hateblo.jp)
ブログ版・秋花剪定(その2)問題児編 - 関西ばら会 (hateblo.jp)
2022年分は、
秋花剪定を始めました - 関西ばら会 (hateblo.jp)
(番外編)シュート枝の秋花剪定 - 関西ばら会 (hateblo.jp)
2021年度分は、
を参照してください。
アキアカネが少し赤くなっています。
でも、まだまだ残暑が続くという予報。
皆様どうぞ御自愛ください。