今朝は冷え込みました。
明石のアメダスでは最低気温は朝 6:50に0.5℃。
ちょっと小高い丘の上にある我が家は、氷点下になっていたと思います。
昨日、デンティベスの実を入れていたバケツに、結構しっかりとした氷が張っていました。
さて、今日も強風の一日でした。
最大風速は 13:43 に西の風 18.5m/sec と、昨日と変わりません。
そんな中で今日の作業は……
まず、ツルばらの誘引を始めました。
これだけは一人で行うと作業効率が上がりませんので、家内に頼み込んでお力を拝借して行う作業です。
棕櫚(しゅろ)縄で縛りつける時は皮手袋を外して素手で行いますので、何ケ所もトゲに刺されて血まみれになりました。
これで誘引は半分終了。
明日は残りの2株を「懸崖作り」にします。
午後になって、ウィーピング スタンダードの張り芽接ぎを行いました。
9月23日「秋分の日 お遊び」の記事でご紹介したトゲナシノイバラのシュートの挿し木ですが……
長い方が活着しました。
鉢底から白根がのぞいています。
このウィーピングスタンダード用の台木はお遊びで作ってはみたものの、自分では使う予定が全くありませんでした。
しかし、赤いツルばらのウィーピングが欲しいという知り合いが現れましたので、ドンファンを接ぎ木することにしました。
そこでまず、大きめの鉢(8号)に植え替えました。
もちろん用土は定番の「園芸の土+赤玉土(中粒)+腐葉土」を1:1:1でブレンドしたものです。
そこにお決まりのマグアンプKを大量投入(約250g)。
これを十分にかき混ぜます。
講習会でも申し上げましたが、マグアンプKは根酸によって分解・吸収される肥料です。
鉢土(しかも根より下の土)とかき混ぜて使用しなければ効果がありません。
鉢土の上からパラパラと蒔(ま)いても効きません。
さて、この鉢に長い台木を植えた後に芽接ぎです。
台木の下方50㎝ほどは挿し木をした時に芽を取り去ってあります。
しかし上の方は挿し木の際に葉を残しましたので、芽が残っています。
まずはこれをすべて除去します。
そして張り芽の作業です。
台木側を形成層が出るように鉛筆を削る要領で薄く切り込みます。
2.5㎝ほど削ってから、同じ方向に今度はやや角度をつけて切り込み、芽を入れるポケットを作ります。
次に張り付ける芽を準備します。
台木とほぼ同じ太さの(または、ちょっとだけ細い)枝が良いと思います。
これを先ほどと同じ要領で薄く削ぎます。
続いて台木のポケット部分にうまくはまるように、同じ方向でやや角度をつけて切ります。
芽を取り外しますが、形成層が見えていると思います。
これを先ほど準備した台木のポケットに差し込んで、形成層同士がうまく合うようにします。
芽の方の木質部分は除去する必要はなく、付けたままにします。
この時、芽の下部が台木のポケットの底に確実に届くように(強く)差し込まなければなりません。
差し込みが弱いと活着しません。
ただし、力を入れて差し込む際に、大切な芽を傷つけないように十分注意してください。
接ぎ木テープとして私は「New メデール」を使います。
このテープならば芽開作業が必要なく、芽が動き始めるとテープを突き破って伸びます。
ただ、そのためにも芽の上はテープが1回だけかかるように巻きます。
そして今日の最後の作業は、地植え株1株の植え替え。
30年近く良花を咲かせ続け、1999年の日本ばら会全国大会(於・大阪)では会長杯を頂戴した武州ですが、さすがに樹勢の衰えが目立ってきました。
そろそろ限界と思い、植え替えることにしました。
交代する選手は大月恵啓仲先生の作出花 レディーサワ にしました。
9月5日「引き続き 夏剪定」の記事で、剪定モデルに使った株を地植えにします。
まずはご老体を抜きます。
講習会でお話いたしました「株を安定させている太根」です。
地植えの場合、1株に1本、太い根が真っすぐに地中深く伸びています。
これは養分や水分を吸収するための根ではなく、株を安定させる根だと勝手に思い込んでいます。
ところが、このご老体の武州はあっさりと抜けてしまいました。
それもそのはず、樹勢が衰えて、ほとんど根もありません。
しかも矢印の所を切断してみますと、
根の中心部は茶色になり、瀕死の状態でした。
しかし、かつての栄光ある株を捨てるのもかわいそうに思い、鉢植えにして様子を見ることにしました。
札の裏面には、ちょっとしたメモを書いています。
さて、古株を抜き去った後は、直径・深さ各50㎝ほどの土を入れ替えます。
穴の底の方には、30年以上前に施したもみ殻燻炭が残っていました。
で、ここで本来ならば古くなった12号鉢を埋め込んで新しい株を植え込むのですが、この位置には南と西の2方向にしか「先輩株」が居りませんので、鉢を入れる必要もなかろうと考え(いや、手を抜いて)、そのまま植え込むことにしました。
用土は鉢植えの土と全く同じです。
まず植穴の半分まで用土を入れて、伝家の宝刀・マグアンプKを超大量投入します。
ばら作り教科書では、植穴には有機質や元肥を入れることになっていますが、私の場合は用土が鉢植えと同じですので、元肥としてマグアンプKを混ぜ込むだけです。
鉢から抜いた交代選手……これだけ元気に成長している株ですので、癌など根の異常はないと判断して、根部を水洗いして確認せずに植えます。
根鉢を崩さない方が、後の成長が良いと感じています。
ただ、根の底だけはグチャグチャとほぐして、根が広がるようにします。
根鉢の下の方に白く見えるのは、昨年12月に与えたマグアンプKです。
接ぎ口が見えるか見えないかの所まで土を入れて、十分に灌水します。
かくて植え替え完了です。
今夜は長々と書き連ねました。
今日は強風の中でしたが、よく働きました。
明日は風が少しは収まりそうです。
午前中は残りのツルばらの誘引をして、午後からは鉢の土替えの作業を開始できると思います。