関西ばら会

長居公園にて「やさしいばらの育て方」の講習会を原則偶数月・第1日曜日・14時~16時に開催しております(要予約 教材費200円必要 お申込み 花と緑と自然の情報センター 06-6694-8788 )また、常時会員の募集を行っています。Mail: kansaibarakai@yahoo.co.jp にお問い合わせください。

関西ばら会です! 長居公園内「花とみどりと自然の情報センター」にて「やさしいばらの育て方」の講習会を行っております。(要予約 教材費200円のみ必要 原則偶数月 第1日曜日 14:00~16:00 お申込み・お問い合わせ 花と緑と自然の情報センター 06-6694-8788) Mail: kansaibarakai@yahoo.co.jp

強風の中で お遊びいろいろ

今朝は冷え込みました。

明石のアメダスでは最低気温は朝 6:50に0.5℃。

ちょっと小高い丘の上にある我が家は、氷点下になっていたと思います。

昨日、デンティベスの実を入れていたバケツに、結構しっかりとした氷が張っていました。

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12月27日 朝のバケツ

 

さて、今日も強風の一日でした。

最大風速は 13:43 に西の風 18.5m/sec と、昨日と変わりません。

そんな中で今日の作業は……

 

まず、ツルばらの誘引を始めました。

これだけは一人で行うと作業効率が上がりませんので、家内に頼み込んでお力を拝借して行う作業です。

棕櫚(しゅろ)縄で縛りつける時は皮手袋を外して素手で行いますので、何ケ所もトゲに刺されて血まみれになりました。

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ツルばら 誘引前

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ツルばら 誘引後-1

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ツルばら 誘引後-2

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ツルばら 誘引後-3 ばらのトンネル

これで誘引は半分終了。

明日は残りの2株を「懸崖作り」にします。

 

午後になって、ウィーピング スタンダードの張り芽接ぎを行いました。

9月23日「秋分の日 お遊び」の記事でご紹介したトゲナシノイバラのシュートの挿し木ですが……

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9月23日 挿し木後

長い方が活着しました。

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12月27日 挿し木成功-1

鉢底から白根がのぞいています。

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12月27日 挿し木成功ー2

このウィーピングスタンダード用の台木はお遊びで作ってはみたものの、自分では使う予定が全くありませんでした。

しかし、赤いツルばらのウィーピングが欲しいという知り合いが現れましたので、ドンファンを接ぎ木することにしました。

そこでまず、大きめの鉢(8号)に植え替えました。

もちろん用土は定番の「園芸の土+赤玉土(中粒)+腐葉土」を1:1:1でブレンドしたものです。

そこにお決まりのマグアンプKを大量投入(約250g)。

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マグアンプK 大量投入ー1

これを十分にかき混ぜます。

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マグアンプK 大量投入ー2

講習会でも申し上げましたが、マグアンプKは根酸によって分解・吸収される肥料です。

鉢土(しかも根より下の土)とかき混ぜて使用しなければ効果がありません。

鉢土の上からパラパラと蒔(ま)いても効きません。

さて、この鉢に長い台木を植えた後に芽接ぎです。

台木の下方50㎝ほどは挿し木をした時に芽を取り去ってあります。

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芽を除去した後

しかし上の方は挿し木の際に葉を残しましたので、芽が残っています。

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残っている芽

まずはこれをすべて除去します。

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台芽の除去ー1

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台芽の除去―2

そして張り芽の作業です。

台木側を形成層が出るように鉛筆を削る要領で薄く切り込みます。

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台木の切り込みー1

2.5㎝ほど削ってから、同じ方向に今度はやや角度をつけて切り込み、芽を入れるポケットを作ります。

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台木の切り込み―2

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台木の切り込み―3 完了

次に張り付ける芽を準備します。

台木とほぼ同じ太さの(または、ちょっとだけ細い)枝が良いと思います。

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芽の準備ー1

これを先ほどと同じ要領で薄く削ぎます。

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芽の準備―2

続いて台木のポケット部分にうまくはまるように、同じ方向でやや角度をつけて切ります。

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芽の準備―3

芽を取り外しますが、形成層が見えていると思います。

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芽の準備―4

これを先ほど準備した台木のポケットに差し込んで、形成層同士がうまく合うようにします。

芽の方の木質部分は除去する必要はなく、付けたままにします。

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芽を台木に差し込む(まだ差し込み不十分です)

この時、芽の下部が台木のポケットの底に確実に届くように(強く)差し込まなければなりません。

差し込みが弱いと活着しません。

ただし、力を入れて差し込む際に、大切な芽を傷つけないように十分注意してください。

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接ぎ木テープを巻く

接ぎ木テープとして私は「New メデール」を使います。

このテープならば芽開作業が必要なく、芽が動き始めるとテープを突き破って伸びます。

ただ、そのためにも芽の上はテープが1回だけかかるように巻きます。

 

そして今日の最後の作業は、地植え株1株の植え替え。

30年近く良花を咲かせ続け、1999年の日本ばら会全国大会(於・大阪)では会長杯を頂戴した武州ですが、さすがに樹勢の衰えが目立ってきました。

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引退表明 武州

そろそろ限界と思い、植え替えることにしました。

交代する選手は大月恵啓仲先生の作出花 レディーサワ にしました。

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レディーサワ

9月5日「引き続き 夏剪定」の記事で、剪定モデルに使った株を地植えにします。

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交代選手 レディーサワ

まずはご老体を抜きます。

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株元から30㎝ほどの所を掘る

講習会でお話いたしました「株を安定させている太根」です。

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株を安定させる太根

地植えの場合、1株に1本、太い根が真っすぐに地中深く伸びています。

これは養分や水分を吸収するための根ではなく、株を安定させる根だと勝手に思い込んでいます。

ところが、このご老体の武州はあっさりと抜けてしまいました。

それもそのはず、樹勢が衰えて、ほとんど根もありません。

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掘り上げたご老体の武州

しかも矢印の所を切断してみますと、

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瀕死の根

根の中心部は茶色になり、瀕死の状態でした。

しかし、かつての栄光ある株を捨てるのもかわいそうに思い、鉢植えにして様子を見ることにしました。

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一応鉢植えに

札の裏面には、ちょっとしたメモを書いています。

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札の裏

さて、古株を抜き去った後は、直径・深さ各50㎝ほどの土を入れ替えます。

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土替え 深さ50㎝程度

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土替え 直径50㎝程度

穴の底の方には、30年以上前に施したもみ殻燻炭が残っていました。

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30数年前のもみ殻燻炭

で、ここで本来ならば古くなった12号鉢を埋め込んで新しい株を植え込むのですが、この位置には南と西の2方向にしか「先輩株」が居りませんので、鉢を入れる必要もなかろうと考え(いや、手を抜いて)、そのまま植え込むことにしました。

用土は鉢植えの土と全く同じです。

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植え替え用土

まず植穴の半分まで用土を入れて、伝家の宝刀・マグアンプKを超大量投入します。

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マグアンプK 超大量(500g)投入

ばら作り教科書では、植穴には有機質や元肥を入れることになっていますが、私の場合は用土が鉢植えと同じですので、元肥としてマグアンプKを混ぜ込むだけです。

鉢から抜いた交代選手……これだけ元気に成長している株ですので、癌など根の異常はないと判断して、根部を水洗いして確認せずに植えます。

根鉢を崩さない方が、後の成長が良いと感じています。

ただ、根の底だけはグチャグチャとほぐして、根が広がるようにします。

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根鉢を崩さずに植える

根鉢の下の方に白く見えるのは、昨年12月に与えたマグアンプKです。

接ぎ口が見えるか見えないかの所まで土を入れて、十分に灌水します。

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残りの土を入れて灌水

かくて植え替え完了です。

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植え替え完了

今夜は長々と書き連ねました。

今日は強風の中でしたが、よく働きました。

明日は風が少しは収まりそうです。

午前中は残りのツルばらの誘引をして、午後からは鉢の土替えの作業を開始できると思います。