昨日(26日)、世間様よりも一足早く仕事納めをし、今日から「ばらの奴隷」になっています。
我が家の階段にズラ~~~っと並んだ鉢植えたち。
こいつらを、年明け1月8日までの「年末年始ばら作業休暇」のうちにやっつけなければなりません。
……というわけで、本日、鉢の土替えの作業を開始しました。
作業場のご紹介~~まずは第1作業場から。
例年通り畑の一角をお借りし、ここで古い土を落とし、枝の仮剪定をします。
畑まで鉢を運ぶのは「台車マシーン」。
8号スリット鉢なら11~12鉢、10号スリット鉢なら6鉢(+8号2鉢)を載せることができます。
ただし問題なのは、お借りしている畑まで急な坂を30mほど登らなけれなならないこと。。。高低差約10m。
膝痛・腰痛持ちのジジイにはとんでもない試練です。
次に第2作業場~~自宅の庭です。
ここで新しい用土で植え付けます。
土替えの終わった鉢に十二分に水を吸わせるために、120ℓ入りのポリバケツ(定期薬剤散布の時に使っているもの)を準備してあります。
用土は毎度ご紹介する盤石の定番~~ワンパターン~~
園芸の土(20ℓ入り):赤玉土(中粒・14ℓ入り):腐葉土(14ℓ入り)=1袋:1袋:1袋 という配合です。
以下、鉢の土替えの手順です。
毎年この時期に書いているブログと重複しますが「2023年度版」ということでお許しください。
まずは第1作業場です。
今年のモデルは8号鉢に植わっている樹齢3年の「桃香」です。
12月第1週に灌水して以降、鉢を軽くするために水を与えておりません。
その結果、シュート枝は、
こんなに干からびて皺(しわ)が入っています。
今年の4月の講習会の折、当会の「若い衆」に SUSTEE など鉢植えの水分チェックセンサーを教えてもらいました。
その SUSTEE を鉢に差してあった「アドミラルロドニー」も
SUSTEE(左) も「真っ白」状態です。
「こんなに萎びても大丈夫か?」と思っている方もいらっしゃるでしょう。
でも、心配は御無用です!
土替えをしてタップリと灌水すると、2~3日でふっくらとした枝に戻ります。
この「アドミラルロドニー」の2~3日後の姿をお見せするつもりです、お楽しみに!
土替え作業に戻ります。
まずは仮剪定をして、葉を全てむしり取ります。
この時の仮剪定の位置ですが、長さ40㎝前後が良かろうと思います。
近年は暖冬の影響で冬期でも芽が動いてしまいます。
2月に行う「春花剪定」では、普通はシュート1段目の上部の良芽で剪ります(私は「二毎芽(にまいめ)剪定」または「三芽(みめ)麗しく剪定」をしますが……)。
その芽を絶対に動かさないように、高い位置(本命の芽よりも5芽以上、上の芽)で仮剪定をします。
鉢から株を抜きます。抜けない時は鉢を寝かせて、鉢の「胴」の部分を叩いたり蹴ったりして根鉢を緩めます。
土を全て落とします。
根鉢に根が回って硬く締まっている時は、足で踏みつけたり蹴飛ばしたり、1mほどの高さから地面に叩きつけたり……各自工夫してください。
土を全て落としたら、根頭癌腫病やマネトーダなどの被害が無いかをチェックします。
なお、上の画像のように健全に育っている株であれば、根を水洗いする必要はありません。
根頭癌やマネトーダ被害を発見した場合は水洗いして、病虫害の状況を詳細に観察します。
次に根を短く切ります。
毎年毎年、鉢を大きくするというのであれば根を切る作業は不要ですが、同じ大きさの鉢に植え直す場合は、思い切って根を切ってしまいます。
御覧のように私は8号鉢であれば8~10㎝、10号鉢であれば10~12㎝程度に切り詰めてしまいます。
その際に太い根も当然ながら切ることになります。
太い根を切ることは樹にとってあまり良いことではないことは重々承知しています。
しかし、土替え前と同じ鉢に植え直すならば、どうしても根は短く切る必要があります。
鉢の大きさと樹のショックを比べた時に、大きな鉢は扱いに人間様の方が体力を要しますので、「背に腹は替えられない」という苦渋の決断(大袈裟!)をしています。
最後に古い枝(私の場合は2年目以上の枝)は根元から切り落とし、「シュート枝だけの株」にします。
「シュート枝だけの株」というのは、「二毎芽剪定」「三芽麗しく剪定」をするからこそできる「芸当」です。
2月に教科書通りの「シュートの第1段目の上部か第2段目の下部で剪る」という剪定をしていたのでは、到底あり得ない話です。
それはさて置き、これで第1作業場での仕事は終わりです。
次に第2作業場に移って、鉢への植え込み作業をします。
用土を鉢の3分の2ほどまで入れてから、「伝家の宝刀」であるマグアンプK(大粒)を投入します。
入れる量は8号鉢には「子供用砂場シャベル」1杯(山盛り)=120~150g、10号鉢にはシャベル山盛り2杯(250~300g)と「正気を失った量」です。
これまた毎度申し上げるように、このマグアンプKの大量投入こそが私の「鉢植えでコンテスト出品」の極意であり、誰にでも情報公開する「秘伝」です。
用土とマグアンプKを混ぜ合わせた後、誰にでも公開する「秘伝」その2です。
移植ごてを何十回も鉢の縁(ヘリ)に沿って突き刺して、用土を目いっぱい、ガチガチに固めます。
某氏や某ばら業者の著書のように「ふんわりと土を入れる」などとはとんでもない!
そんな入れ方をすれば、2、3回灌水しただけで鉢土が沈んで半分の体積になってしまいます。
突き固めた土の上に株を置きます。
深さは鉢の縁の高さと株の接ぎ口が大体同じになるように……深植えになるよりも少し浅植えの方がシュートはよく出ます。
さらに用土を入れます。
これくらい山盛りにしておいて、先ほどと同様に移植ごてを縁に沿って何十回も突き刺し、土を固めます。
⑭で山盛りになっていた用土が固まり、8号鉢で3~4㎝、10号鉢で5㎝程度のウォータースペースができます。
この後、鉢を持ち上げて、鉢底を10数回地面(コンクリート面・踏み石などの方が良い)にトントンと打ち付けて、さらに鉢土を締めます。
鉢土を固めた後、灌水します。
十二分に水を吸わせる工夫として、私は生ごみ用の大きなポリバケツを使います。
ポリバケツに鉢の70%くらいが沈む深さの水を張っておき、そこに鉢をドボンと浸けます。
鉢の上からも水を注ぎます。
ウォータースペースいっぱいまで水を灌ぐと、鉢土の中の空気が押し出され、ブクブクとあぶくが出ます。
この状態で3~5分放置して、ウォータースペースに溜まった水が引いてから鉢を取り出します。
10年ほど前までは、仕上げに「長繊維のピートモス」をウォータースペースいっぱいに敷き詰めていましたが、そのピートモスが入手できなくなってからは、この状態で「土替え完了」ということになりました。
なお、用土の突き固めが不十分な場合は、水が引いた時に鉢土の表面が部分的に陥没します。
この場合は陥没した部分に用土をたっぷりと補充します。
また、鉢土を落として根をチェックした際に何らかの異常を発見した場合は、名札の裏にメモを残しておいて、様子を見ます。
今朝から始めた鉢の土替え作業、初日の今日はブルーシートを敷いたり「台車マシーン」を準備したり、またここに掲載した写真を撮ったり……と作業のみに集中できず、畑と自宅の庭とを3往復して夕方になりました。
今日土替えを完了した鉢数は34鉢。
明日は4往復しようと思っています。