大袈裟なタイトルにしてしまいました。
まあ、例年通り剪定手順の確認です。
昨年はシュートが全く出ていない株……言わば「劣等生」の剪定
秋花剪定を始めました - 関西ばら会 (hateblo.jp)
また、1株全部がシュートから成る、いわば「優等生」の剪定
(番外編)シュート枝の秋花剪定 - 関西ばら会 (hateblo.jp)
を御覧いただきました。
今年もまずは「劣等生」を御覧ください。
品種は遅咲き品種「ラディアント パヒューム」(黄色・芳香種)です。
樹齢は10年を越えていますが、シュートが出にくい品種で「1本立ち」のスラリとした樹形です。
4月以降、3本のステムを立て、1番花を3輪咲かせました。
その後、各ステムは分岐させずに1本のまま伸ばしており、現在4番花が蕾状態になっています。
鉢は10号で、樹高は1m50㎝以上。
4段目は「秋花剪定で切り落とせば良い」と気を抜いて芽の整理をせず、箒(ほうき)状態にしてしまいました。
株を下の方からご覧ください。
文字が消えかかった札の横に「節(ふし)」がありますので、シュートが出ない状態が今年で3年目になるようです。
しかし3本伸ばしたステムのうち右の2本はそれなりに太い枝になっています。
来年の春花剪定ではこの2本の枝で「二毎芽(にまいめ)剪定」をして来年1年間様子を見て、それでもシュートが出なければ2年後の春に「げんこつ剪定」という手順になります。
それはさて置き、一番右の枝を中心に、さらに上を見ます。
よく見ると、3段目で分岐していました。
「3段(2)」のステムの勢いが良かったため、欲を出して3番花を咲かせようとしたのですが、遅咲きゆえ開花する前に秋花剪定で切り落とすことになりました。
4段目には蕾が付いていて「もったいない」と思いますが、この開花を待っていたら剪定のタイミングが遅くなり、秋の適期にきれいな花を楽しめなくなります。
迷わずに切り落とさなければなりません。
さて剪定位置ですが、通常は「3段目の中ほど~下部」か「2段目の上部」です。
この株は3段目の中ほどで切ると……「3段(2)」のステムがあるため、3段目が分岐枝となり、3段目を2か所で剪定=3段目で2輪咲かせる=花が小振りになってしまいます。
つまり、2段目の上部で剪定しなければなりません。
2段目の芽を上方から確認します。
芽①は2段目から3段目の「節(ふし)」になる部分。
「節」には必ず芽があります。
2月の春花剪定の時もそうですが、「節」の部分を剪定位置にするという方法もあることを覚えておいてください。
ただし「節」で剪定すると、現在見えている芽①だけではなく、その他にも隠れている芽(伏芽)も同時に動き、芽の整理(1ステムだけ伸ばします)をする必要が生じる上に、芽が動き始める段階で芽の力が分散してしまう恐れがあります。
すぐ下の葉の付け根に良芽があれば、そちらを優先した方が良いでしょう。
つまり芽②の状態を確認します。
もしもこの芽②が「ふっくらと膨らんだ芽」であればOK、多少なりとも「伸び始めた芽」になっていればさらに下の芽を剪定位置にします。
この株は芽②が「ふっくらと膨らんだ」大変良くできましたの状態、芽③は「ちょっと膨らんだ」良くできましたの状態です。
芽④はまだ全く動いていませんので、剪定位置の候補から外します。
芽②で剪れば早めに開花し、芽③で剪れば開花は少し遅れます。
どちらで剪るかは「お好み次第」というわけで、今回私は芽②で剪定しました。
芽の上5~7㎜の位置で「芽の方向と水平に(結果として、やや斜めに角度を付けて)剪る」というのは、毎度講習会で申し上げる通り、剪定の基本中の基本です。
通常はこれでこの枝の剪定は終わりですが、これまたくどい話で恐縮ですが、「我流」として剪定の仕上げの作業をします。
芽に刺激を与えて確実に始動させるために、剪定箇所の葉をむしり取ります。
このように芽を丸裸にすると、着実に動き始めます。
1枝の剪定が終われば、高さがほぼ揃うように他の枝も剪ります。
これでこの株の剪定が完了しました。
次回は、ブログ版・秋花剪定(その2)として、「問題児」の剪定を御覧いただこうと思っています。
さて、今週のまとめに1週間分の採花状況を並べておきます。
そして今日の花の中から、エエ花を少しだけ。
昨日も良花が咲いた「ピン・ラス」ですが、今日も大きさも発色も花形もなかなかの花でした。
我が家では今週が秋花剪定のピークです(週の間に2日間「剪定休暇」を取ります
……天気と相談しながら)。
次の週末には剪定を完了させます。
HT種の採花が途切れます。
それ以降は剪定をしないフロリバンダ種だけが咲く「ちょっと寂しい時期」になります。