三連休の最終日、鉢植えの剪定を終え、これで今年の春花剪定が完了しました。
3日間に亙った剪定の最後は、例によって例の如くガーデンシュレッターの登場です。
2時間後、全て完了。
さて、今日は鉢植え株の春花剪定について詳述します。
一昨日ご覧いただいた地植えの剪定は一般的な教科書の方法と大差ありません。
しかし毎年ご紹介する通り、鉢植えの剪定は世間様とは全く違い、極端な深切りをします。
サンプルをご覧ください。
品種は3年経過した「フレジェ」ですが、昨年出たシュートのみ5本から成る株です。
我が家の鉢植えの多くは前年に出たシュートだけから成る株であり、2年以上経過した「古枝」は基本的にはありません(ウソです、実は……あります。後述します)。
そのようなシュートだけの株になる理由が、私の春花剪定のやり方に由来します。
教科書通りならば、矢印の辺り(長さ20~25㎝程度)で剪定すると思いますが、私はこのシュートのず~~っと下の方、株元まで剪定位置を下げます。
シュート枝の下から2芽目のすぐ上で剪る……名付けて「二毎芽(にまいめ)剪定」が基本です。
ただし、その芽の方向が悪い時、例えば芽が伸びて行く姿を想像した時に、他の枝と衝突する可能性が高い場合……
また、横向きに芽が伸びてしまう場合、
このシュートを「二毎芽剪定」、すなわち②で剪ると芽が真横あるいは下向きに伸びてしまいます。
このように「二毎芽剪定」すると不都合が生じる場合は、もう1芽上の3芽目で剪る場合があります。
これを名付けて「三芽麗(みめうるわ)しく剪定」と呼んでいます。
それぞれのシュートを「二毎芽剪定」または「三芽麗しく剪定」で剪った結果、この「フレジェ」は、
こんな株になりました。
それぞれのシュートの長さは5~6㎝程度、地面からは8~9㎝程度の高さになりました。
この「フレジェ」は絞り品種……言わば「お遊び品種」ですので、花数を多くしたいがために5本もシュートを残しました。
しかしコンテスト品種……言わば「本気品種」は花数を制限して大きな花を咲かせるために、シュート数を制限してあります。
8号鉢では1~3本、10号鉢で2~4本程度です。
8号鉢の「魅惑」ですが、シュート2本を「二毎芽剪定」した結果、株の高さは6㎝になってしまいました。
いずれにしても我が家の鉢植えが「シュートだけの株」になっている理由は、以上の通り極端な深切りをしているためです。
3月以降に伸びるステムの数が少ないため、余った樹力がクラウン(株元)部分の隠れ芽(伏し芽)を動かしてベーサルシュートになる……と、勝手に理解しています。
ただし、正直なところ全ての株にベーサルシュートが出るわけではありません。
中には、昨年はシュートが発生しなかったものもあります。
その場合は、昨年の春花剪定の後に伸びたステムの1段目の一番下の1芽で剪ります。
これまでこの剪定法に名前を付けていませんでしたが、今後は「一芽惚(ひとめぼ)れ剪定」と呼ぶことにします。
シュートの出にくい品種(マダム高木、パスカリ、アンペラトリス ファラーなど)で一旦この「一芽惚れ剪定」を始めると、年々樹高が高くなる悪循環に陥る可能性が出てきます。
その場合でも「節(ふし)」の部分に芽が見られたらラッキー、そこまで切り下げることができます。
「一芽惚れ剪定」「節芽剪定」もできなくなってしまった場合……最終手段が「げんこつ剪定」ですが、今年は幸いなことにその対象になる株はありませんでした。
鉢植えの春花剪定は、極力「樹を低く仕立てる努力」が大切だと考えます。
昨年の大晦日に接ぎ木した自家製の苗たちは、概ね順調です。
一気にステムが伸び始めた苗。
そして、例の芽接ぎ苗も、
中には芽の動きが止まっているものもありますが、気温の上昇とともに再び動き出すものと思われます。
これら接ぎ木苗たちに灌水代わりの液肥を与えました。
いつもは液体のハイポネックスを使っていますが、今日は「N顧問イチオシ」のトップドレッシングを1000倍で使いました。
もちろんこれもコンテストの賞品として頂戴したもの。
高価な商品ですので、スポンサー企業様はありがたい存在です。
今週はかなり暖かい日もあるという予報です。
剪定を終えたばらさん達や接ぎ木苗には春の訪れはうれしいのですが、私の「バラ科花粉症」にとってはありがたくない陽光になりそうです。