うららかな春の一日、スギ花粉は飛散のピークを迎えているようです。
私はスギ・ヒノキの花粉症はありません。
ところが、前にも書いたことがありますが、大変珍しい「バラ科の花粉症」と診断されています。
風媒花のスギ・ヒノキとは違い、バラ科は虫媒花ですので通常は花粉症はありません。
しかし、イチゴ農家や生花店関係者の職業病として「バラ科花粉症」が存在するというのは耳鼻咽喉科では有名な話だそうです。
確実園の前野さんもバラ科の花粉症だとおっしゃっていましたが、職業病ですね。
私はバラそのものよりも、ウメが苦手。
近所で梅が咲き始める1月下旬ころから、突然の鼻水・くしゃみに悩まされます。
どうやらあの香りがダメなのかも。。。(好きな香りですが……)
今のところ、桜や桃、梨、リンゴ、イチゴ等はアレルギーの兆候はありません。
ばらは、屋外ではそれほど問題がありませんが、ばら展などの閉鎖された空間では、時に鼻水ズルズルになることがあります。
さて、今日は穏やかな春の日差しの中で、鼻水を流し、くしゃみをしながら庭作業をしました。
メインの作業は、地植え株の枝の固定です。
作業前はこんな感じ ↓ でした。
高性の樹形のため80㎝以上で剪定した株(シーアブリス、ブルーシャトー、マダムヴィオレなど)は、ステムが伸び始めるとちょっとした風でも枝が揺れます。
その時に他のステムと擦れ合って葉が傷つくと、コンテストに出品できなくなります。
私はそれを防ぐために、枝が揺れないようすべての枝を農竹で固定しています。
この時注意するのは、農竹の高さ。
農竹が高すぎると、伸びていくステムがその農竹と接触する事故が起こりますので、農竹の先端は剪定した位置よりも低くして、ステムの伸びに影響しない高さにする必要があります。
また、この作業はステムが伸び始めてから行うと、農竹に固定する際に枝の角度が変わってステムが曲がってしまいます。
必ず芽が伸びないうちに行わなければなりません。
こうしてすべての枝を農竹で固定しておくと、もう1つの利点があります。
それは7月以降台風が接近した時に、株の固定ができていますので台風対策のために慌てて縄などで株をグルグル巻きにする……などといった作業が不要になります。
その台風対策も兼ねた「株の固定」という意味では、
高さ40㎝程度で剪定してある多くの株の太い枝(1~3本)も農竹に縛り付けておきます。
以上の作業は棕櫚縄で農竹と枝を結びますので、皮手袋をはめたままではできません。
素手の作業になります。
結果、12月のツルばらの誘引の時と同じく、トゲに刺されて手はボロボロです。
コロナ対策で随所に設置されている手指の消毒液がモーレツに沁みます。。。
で、そんな作業をしていると、
あれっ?と思う株もありました。
この画像のどこが違和感かと申しますと、節(ふし)の部分(下向きの辺り)に注目してください。
裏から見ると、
カイガラムシが屯(たむろ)していました。
即刻、マシン油乳剤を塗布して退治します。
マシン油乳剤の濃厚塗布(20~30倍)ができるのは、そろそろタイムリミットです。
芽が伸び始めてからは薬害が出ますので、使えません。
(ただし私はカイガラムシを発見した時には、夏期でも薬液が葉に付かないように細心の注意を払って古枝に40~50倍で塗布することがあります。)
さらに、接ぎ木苗に薄い液肥を灌水代わりに与えました。
その際、枯死していることを確認した「八甲田」2株を処分しました。
2株とも台木からは白根が元気に伸びていました。
台木がこれだけ元気であれば、台木の「首」部分を切り下げて、改めて健全な穂木を接ぎなおすことが可能だと思います(それもタイムリミット ギリギリですが)。
ただし我が家は3週間前に全株を剪定し、すでに芽が動き始めていますので、穂木にできる枝がありません。
画像の2株は台木も含めて廃棄処分にしました。
捨てる前に、
接ぎ木テープを取り外してみました。
接ぎ口はピッタリと嵌(はま)っていて、形成層もきっちりと合っているようでした。
切り口・削り面ともシャープです。
やはり穂木にパワーがなかったために活着しなかったようです。
来週はいよいよ防虫ネットを張ろうかと思っています。
鉢植えも所定の位置に並べ替えなければなりません。
気温の上昇とともに、春の作業が本格化します。