昨日に引き続き、我が家の春の剪定の様子、及び我流の剪定法をご紹介いたします。
まずは今日の作業のご報告……昨日剪定した枝をガーデンシュレッダーで粉砕して袋詰めをしました。
これでひとまず今年の春の剪定作業は終了しました。
さて、剪定について書きます。
昨日は一本一本の枝の剪定位置や芽の状態について書きましたので、今日は株全体を見ながらお話しします。
画像はすべて昨日(2月11日)に撮影したものです。
品種は手児奈です。
まず高さの目安になるように一枝にハサミを入れました。
この枝は「2年目の枝」ですので、剪定位置は昨日の説明のように「昨年の5月の花枝の下部」です。
すると気になるのが、直ぐ奥の古枝です。
「節」が毎年の春の剪定位置ですので、色分けした矢印でお分かりの通り、この枝は5年以上居座っているご老体です。
しかし、毎年5月には太い枝に花を咲かせ、春の剪定で切るにふさわしい太さの枝があったため、何年も生き残っていたようです。
さすがに今年は最上部に太い枝は見られず、かつ付近が込み合っていますので、「ご苦労様!」とお礼を言って切り取りました。
もう1本、6年目の古枝があります。
昨年5月に花を咲かせた枝は、
この枝で剪定すれば、まだ良い花が望めそうな勢いがあります。
したがって、今年も残すならば、下から2芽で剪定かな?
……と思って切ってみたところ、上の芽が伸びすぎている感じがしますので、
下の1芽だけ残す……これが正攻法だと思います。
その結果、株全体の様子は、
左から2本目の枝がやや高いものの、全体的にはエエ感じで一株の高さが落ち着いています。
通常はこれでこの株の剪定は終了です。
以下はちょっと過激な剪定法になります。
この株は毎年新しいシュートが少しずつ発生し、株全体が老化してはいませんので、本来は以下の剪定方法は不要です。
しかし、仮にこの右端の6年目の古枝のみが残っている「主幹が1本だけ伸びて老化した株」だとしましょう。
5年間シュートが発生せずに、古い枝が1本だけ立った「天然のスタンダード状」の
株ということです。
この古株を若返らせる方法です。
無理な剪定をしますので、リスクが伴うことをご承知置きください。
必ずしも推薦しているわけではありません。
まずは安全性の高い方法として、
昨年の枝の生え際をバッサリと切ります。
3月上旬には切り口の脇から100%芽が出ます。
樹高を少し低くしつつ若返りを図るには、2年前の剪定跡=「節」で切ります。
ほとんど失敗なく発芽します。
さらに低くしたい場合は、もっと下の「節」で切ります。
この場合は、ちょっとリスクが高くなります。
画像の株 ↑ はシュートが出やすい品種(コンフィダンス)ですので、「節」だけではなく1年目・2年目の古枝の途中からも発芽しています。
最後は樹高を低くするための究極の剪定です。
「節」を無視して、1年目の枝の途中、希望する高さでバッサリと切ります。
かなり高い確率で、1年目の超古枝の途中から発芽します。
2月6日の講習会でもお話いたしましたが、要するに春の剪定は「どこで切っても芽が出る」ということです。
教科書通りに「昨年伸びた枝のふっくらと膨らんだ芽のすぐ上で剪定する」のが理想ではありますが、何も考えず、かつ何も見ずにメチャクチャ切っても5月の花は咲きます。
「春の花はお天道様が咲かせ、秋の花は腕で咲かせる」という先人の教え通りです。
ところで、以上サンプルにした手児奈の株は、
他にも新しい枝が何本もありますので、6年目の古枝は根元からカットしました。
これでこの株の剪定は完了です。
次に鉢植えの剪定の例です。
鉢植えは年末年始に土替えをした際に仮剪定をしてありますので、高さは40㎝程度になっています。
通常は15~20㎝程度の高さで良い芽を探して剪定するのが正攻法です。
後ろの物差しは20㎝です。
私もコンテストは関係なしに「多くのきれいな花」を咲かせたい品種(ダブルディライトやパパメイアン、またこのブログのアイコンにしているアンペラトリス ファラーなど)はこのような高さの剪定をします。
しかしコンテスト品種は「100輪のきれいな花よりも1輪のコンテストで勝てる花」を咲かせるために、この10数年来の合い言葉にしております「二毎芽(にまいめ)剪定」を励行しています。
株元の芽を見ます。
左の枝(シュート)は問題ありません。エエ感じで芽が膨らんでいます。
真ん中の枝(シュート)の2芽目は注意を要します。
主芽が膨らまず、脇芽が2つ伸びています。
分かりやすい例をご覧ください。
普通の花を咲かせるのであれば、このような芽は少し伸びた段階で勢いの弱い方の芽を取り去り、勢いの強い方の芽を伸ばします。
しかし、コンテスト出品を考えると、初めからトラブルのある芽に良い花が咲くはずがありません。
というわけで、このような芽を生かすような剪定はしません。
真ん中の枝は「二毎芽」どころか1芽になってしまいましたが構いません。
むしろ株元から新たな芽=シュートを発生させる「呼び水」になると思います。
(スンマヘン……サンプルとして魅惑を取り上げたのは不適切だったかもしれません。
魅惑は「秋一発」の品種で、春には碌(ろく)な花が咲きません。
春の出品があり得ない品種の画像を貼っています。。。んが、昨日の鉢植えの写真はこれしか撮ってありません。お許しください。)
というわけで、春の剪定の2回目の記事は、これまでにします。
明日、これ以外の何や彼やを書くことにします。