関西ばら会

長居公園にて「やさしいばらの育て方」の講習会を原則偶数月・第1日曜日・14時~16時に開催しております(要予約 教材費200円必要 お申込み 花と緑と自然の情報センター 06-6694-8788 )また、常時会員の募集を行っています。Mail: kansaibarakai@yahoo.co.jp にお問い合わせください。

関西ばら会です! 長居公園内「花とみどりと自然の情報センター」にて「やさしいばらの育て方」の講習会を行っております。(要予約 教材費200円のみ必要 原則偶数月 第1日曜日 14:00~16:00 お申込み・お問い合わせ 花と緑と自然の情報センター 06-6694-8788) Mail: kansaibarakai@yahoo.co.jp

春花剪定(地植え編)

本日、地植え株の春花剪定をしました。

ぽかぽか陽気で、少し動くと汗ばみました。

「教科書」無視の鉢植えの剪定とは違い、地植えの剪定は極めて常識的です(と自分では思っています)。

 

まず剪定前、朝の様子です。

2月11日 剪定前―1

2月11日 剪定前―2

2月11日 剪定前―3

1月の初めに冬の元肥を入れた際に仮剪定をしてあります。

冬の元肥を入れました - 関西ばら会 (hateblo.jp)

樹高は1m程度になっています。

 

まずは剪定例その1。

樹齢4年目の若い株(品種は白秋)です。

若株の剪定―1

シュートが2本(左から1番目と3番目)と残りは2年経過した枝です。

矢印の2本は枝が細いので、とりあえず枝の生え際(黄色線)で切ります。

その後、残った枝をそれぞれ地面から約40㎝の高さに切りますが、基本的には昨年伸びた枝の、状態の良い芽を選んでその上5~7㎜で切ります。

伸び過ぎた芽

これはすでに芽が動いています。

寒さで芽が傷んでいる可能性がありますので、この芽はダメです。

膨らんだ芽

このくらいの膨らんだ芽を選びます。

また、切りたい高さに理想的な芽がない場合。

節(ふし)の芽

紫の①②の芽は理想的な膨らみ具合です。

しかし、この①②で切ると高すぎる場合、緑の④では脇芽状態になっていますので、強い芽の伸びが期待できません。

そこで頼りになるのが、節(ふし)の部分にある③の芽です。

節の芽で剪定

節の部分には隠れた芽もたくさんあります。

たくさん動く節の芽

というわけで、節の部分で剪定するという方法も覚えておくと良いと思います。

で結局、若株の白秋はこうなりました。

若株の剪定終了

右から2本目の枝がアンバランスに高くなっていますが、下の方に良い芽がなく仕方なく高い位置で切りました(すぐ下の「節」で剪定する……ということも可能ですが)。

 

なお、剪定位置と芽との関係は、

切る位置が上すぎる

芽の上を長く残しておくと、枯れ込んでくる可能性があります。

切る位置が芽に近すぎる

逆に芽に近すぎると、芽が健全に伸びない恐れがあります。

切る角度が逆

芽の伸びる方向と水平に切るのが基本です。

理想的な切り方

芽の伸びる方向と水平に、つまりやや斜めに、芽の上5~7㎜で切ります。

 

次に30年を越した老木(品種はゴールデンハート)の例です。

老木の剪定―1

写真ではわかりにくいかもしれませんが、右手前に1本シュートが出ています。

しかし古い枝も多くあります。

ただし、古枝であっても、

古枝の節(ふし)の芽

4~5年前の節ですが、そこにも芽が出ています。

そんな芽も利用しながら剪定します。

古株の剪定終了

さらに困ったヤツが居ます。

やはり樹齢30年超の武州ですが、

老木の武州ー1

とりあえず右側の枝たちは昨年伸びた部分で剪定できます。

老木の武州―2

しかし、左の枝は赤い矢印が毎年伸びた枝、節が年々の剪定箇所です。

つまりこの枝は10年の間「途中シュート」も出ず、剪定を続けた枝です。

緑の矢印が昨年伸びた枝ですが、

老木の武州―3

老木の武州―4

全ての芽が伸び始めていて使い物になりません。

そこで本来ならば、

老木の武州―5

黄色の線の部分で切るのがセオリーですが、先ほどから述べている通り、節には見えない芽(伏し芽)がありますので、

老木の武州―6

①~③で切って試してみるのも一計かと思い当たり、

老木の武州―7

③で切ってみました。

老木の武州―8

というわけで、4月初旬まで様子を見て、節から芽が出たらラッキー、ダメなら4月以降改めてセオリー通り株元から切り捨てることにします。

30数年ばらを作ってきても、なお試行錯誤する剪定……結構楽しんでいます。

 

明日は鉢植えの(非常識な)剪定をします。