本日、地植え株の春花剪定をしました。
ぽかぽか陽気で、少し動くと汗ばみました。
「教科書」無視の鉢植えの剪定とは違い、地植えの剪定は極めて常識的です(と自分では思っています)。
まず剪定前、朝の様子です。
1月の初めに冬の元肥を入れた際に仮剪定をしてあります。
冬の元肥を入れました - 関西ばら会 (hateblo.jp)
樹高は1m程度になっています。
まずは剪定例その1。
樹齢4年目の若い株(品種は白秋)です。
シュートが2本(左から1番目と3番目)と残りは2年経過した枝です。
矢印の2本は枝が細いので、とりあえず枝の生え際(黄色線)で切ります。
その後、残った枝をそれぞれ地面から約40㎝の高さに切りますが、基本的には昨年伸びた枝の、状態の良い芽を選んでその上5~7㎜で切ります。
これはすでに芽が動いています。
寒さで芽が傷んでいる可能性がありますので、この芽はダメです。
このくらいの膨らんだ芽を選びます。
また、切りたい高さに理想的な芽がない場合。
紫の①②の芽は理想的な膨らみ具合です。
しかし、この①②で切ると高すぎる場合、緑の④では脇芽状態になっていますので、強い芽の伸びが期待できません。
そこで頼りになるのが、節(ふし)の部分にある③の芽です。
節の部分には隠れた芽もたくさんあります。
というわけで、節の部分で剪定するという方法も覚えておくと良いと思います。
で結局、若株の白秋はこうなりました。
右から2本目の枝がアンバランスに高くなっていますが、下の方に良い芽がなく仕方なく高い位置で切りました(すぐ下の「節」で剪定する……ということも可能ですが)。
なお、剪定位置と芽との関係は、
芽の上を長く残しておくと、枯れ込んでくる可能性があります。
逆に芽に近すぎると、芽が健全に伸びない恐れがあります。
芽の伸びる方向と水平に切るのが基本です。
芽の伸びる方向と水平に、つまりやや斜めに、芽の上5~7㎜で切ります。
次に30年を越した老木(品種はゴールデンハート)の例です。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、右手前に1本シュートが出ています。
しかし古い枝も多くあります。
ただし、古枝であっても、
4~5年前の節ですが、そこにも芽が出ています。
そんな芽も利用しながら剪定します。
さらに困ったヤツが居ます。
やはり樹齢30年超の武州ですが、
とりあえず右側の枝たちは昨年伸びた部分で剪定できます。
しかし、左の枝は赤い矢印が毎年伸びた枝、節が年々の剪定箇所です。
つまりこの枝は10年の間「途中シュート」も出ず、剪定を続けた枝です。
緑の矢印が昨年伸びた枝ですが、
全ての芽が伸び始めていて使い物になりません。
そこで本来ならば、
黄色の線の部分で切るのがセオリーですが、先ほどから述べている通り、節には見えない芽(伏し芽)がありますので、
①~③で切って試してみるのも一計かと思い当たり、
③で切ってみました。
というわけで、4月初旬まで様子を見て、節から芽が出たらラッキー、ダメなら4月以降改めてセオリー通り株元から切り捨てることにします。
30数年ばらを作ってきても、なお試行錯誤する剪定……結構楽しんでいます。
明日は鉢植えの(非常識な)剪定をします。