関西ばら会

長居公園にて「やさしいばらの育て方」の講習会を原則偶数月・第1日曜日・14時~16時に開催しております(要予約 教材費200円必要 お申込み 花と緑と自然の情報センター 06-6694-8788 )また、常時会員の募集を行っています。Mail: kansaibarakai@yahoo.co.jp にお問い合わせください。

関西ばら会です! 長居公園内「花とみどりと自然の情報センター」にて「やさしいばらの育て方」の講習会を行っております。(要予約 教材費200円のみ必要 原則偶数月 第1日曜日 14:00~16:00 お申込み・お問い合わせ 花と緑と自然の情報センター 06-6694-8788) Mail: kansaibarakai@yahoo.co.jp

春一番……の害虫

先週来の暖かさが一転、彼岸に入って寒が戻ってきました。

しかし、今週前半の暖かさのおかげで、新芽が随分伸びました。

先週との違いがよくわかる画像を並べます。

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3月19日 ツルばら

今朝は曇り空ながら、淡路島~四国~小豆島~家島諸島に囲まれた「我が家の池」(瀬戸内海とも言う)が見渡せました。

長年この池に撒き餌(下手な釣り)をして魚を養殖してきましたが、この数年、手根管症候群で右の手指がしびれてハリスを結ぶことができなくなり、手術を受けてもしびれが完治せず、何年もの間エサ撒きに出ておりません。

それはさておき、先週はこんな感じでした。

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3月12日 ツルばら

また、スタンダード用マーガレットメリルは、

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3月19日 スタンダード作りの芽

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3月12日 スタンダード作りの芽

さらに、地植えの2年児は、

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3月19日 2年児のモンシェリ

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3月12日 2年児のモンシェリ

全く違いますね。その違いに驚きます。

 

さて、これだけ新芽が伸びますと、そろそろ病害虫が気になります。

病害は4月になってからですが、虫害は3月中旬から見られます。

我が家では、今年はまだ目にしていませんが、春一番の害虫は次の2つのうちのどちらかです。

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2017年3月20日 アブラムシ

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2019年3月22日 ???

アブラムシは写真のような緑色のものや黒い種類も見られます。

放置しておくと葉から汁を吸って葉の表面を萎縮させたり、ウィルス病やモザイク病を媒介したりしますので、発見したら早めに駆除します。

霧吹きの水で吹き飛ばすという人もいますが、吹き飛ばされた虫体は生きていますので、またモゾモゾと枝に戻ってくる可能性があります。

オルトランCとかベニカXなどという商品名で市販されているスプレー式の殺虫殺菌剤を噴霧して退治するのが良いと思います。

一方、葉が食害されるのはヨトウムシかハマキガかヨモギエダシャクかホソオビアシブトクチバか……とにかく、そのあたりの蛾の2~4齢の幼虫です。

これもオルトランCやベニカなどのスプレー式の殺虫殺菌剤を噴霧します。

ただし大切なのは、これらの害虫が見られるようになったということは「定期薬剤散布の時期」が到来したということです。

そろそろ週に1回の殺虫剤・殺菌剤の薬剤散布を開始しなければなりません。

 

もう1種、春先の害虫がいます。

3月中はまだ深刻な被害は少なく、気になるのは4月に入ってからだとは思いますが、こんな葉・蕾はありませんか?

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2018年4月1日 バラゾウムシの被害

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2010年4月15日 バラゾウムシの被害

これがバラゾウムシ(クロケシツブチョッキリ)の被害です。

犯人はコイツ

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2021年4月15日 バラゾウムシ

大きさ2~3㎜の小さなゾウムシです。

薬剤による防除は難しく、テデトール(手で取る)に徹するしかありません。

ただし、不用意に手で取ろうとするとポロリと地面に落ちて逃亡します。

必ず片手を受け皿にしてその上に落ちるようにして、逃亡を阻止してください。

なお蕾が被害を受けた時は、その下方の5枚葉のすぐ上で剪定し、6月上~中旬に咲く1.5番花を楽しみます。

 

3月13日の「鉢を定位置に並べました」の記事に、fammygold様からミカンキイロアザミウマに関するコメントを頂戴しました。

アザミウマ(スリップス)は5月の開花の時から見られます。

花の中で1~1.5㎜の黒~黒褐色の細長い虫が動き回っていることがあります。

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2021年6月30日 スリップス

これが大発生するのは6月下旬以降の2番花から後でしょう。

ひどい場合は花弁の縁が縮れて花が開かないことがあります。

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スリップス被害

ばらに寄生する主なスリップスは、在来種のハナアザミウマ、ネギアザミウマ、ヒラズハナアザミウマなどです。

これらはオルトランやスミチオンなどで容易に防除できます。

しかし1990年代に日本に侵入したミカンキイロアザミウマは、特定の薬剤を使わなければ退治ができません。

定期薬剤散布で通常の殺虫剤を使用してもスリップスが生き延びている場合は、ミカンキイロアザミウマの可能性があります。

(専門家でもスリップスの種類を同定することは難しいようです。我々は通常の殺虫剤が効かなければミカンキイロと判断してよいと思います。)

2021年3月の段階でミカンキイロアザミウマに適用登録があり、「ばら」または「花卉類」に使用できる殺虫剤は、

アクタラ/アグリメック/アファーム/カスケード/コテツ/スピノエース/トクチオン/ハッパ/ベストガード/マッチ

です。

この中で、私自身が使用しているのはアファーム/カスケード/コテツ/スピノエース/トクチオン/ベストガード/マッチ ですが、ベストガードは全く効きません。

アファームも効きが悪くなってきました。

ただ、適用登録がないので気が引けますが、ディアナSCはよく効きます。

というわけで、ミカンキイロアザミウマが大発生した際に、私自身は

(緊急散布)ディアナSC+カスケード→(3日後・定期薬剤散布の殺虫剤として)トクチオン+マッチ……これで大概は退治できます。

なおも花の中でモゾモゾと動いていれば、

→(3~4日後・特別散布)コテツ+カスケード→(3日後・定期薬剤散布の殺虫剤として)スピノエース+マッチ

これで完全に退治できるはずです。

散布する際は、花の中にジャブジャブと薬剤を噴霧器で吹き付けます。

 

スリップス対策のお話は6月以降にするべきですが、コメントで質問がありましたので取り急ぎ掲載しました。

ご参考までに。。。