東京では本日午後、桜の開花が宣言されたようですね。
関西ではまだ数日後になりそうです。
今日も天気は良いものの、空気がひんやりとしていました。
とは言うものの、昨年大晦日に接ぎ木をした新苗たちを衣装ケースに入れたまま5時間ほど外気に当てました。
接ぎ木後初めて長時間 風に当てましたが萎(しお)れることもなく、午後3時過ぎにはいつもの場所(縁側の定位置)に取り込みました。
ただし4~5日前の高温の間に、室内にあったのにもかかわらず、ガラス越しの強い陽射しのために葉焼けを起こしている株がいくつかあります。
4月中旬以降、コンテストへの出品を期待していたステム(花枝)の葉がこんな状態になっていたら頭を抱え込みますが、現在伸びている新苗の枝は5月以降根元からシュートが出てくれば切り捨てますので、小葉の2枚や3枚が葉焼けを起こしていても何ら問題はありません。
ついでに毎週ご覧いただいているお世継ぎ組、相変わらず順調です。
1ステムだけ伸びているロクレアは高さが30㎝を超え、先端に蕾が乗っています。
来週中には一番上の5枚葉のところで先端をピンチします。
穂木として「節(ふし)」を使ったチンチンは細い枝が4本伸びました。
もちろん蕾はついていません。
このまま茂らせて元気の良いシュートの発生を待ちます。
さて本日のメインの作業は「副芽取り」でした。
2月に剪定した時に見えていた芽は「主芽」で、3月中旬を過ぎるとその両脇の「副芽」も伸び始めます。
中心の勢い良く伸びているのが「主芽」、その両脇にあるのが「副芽」(矢印)です。
主芽に樹力を集中させ、立派なステム(花枝)にするために副芽を掻き取ります。
なお、この「副芽取り」はすべての栽培者の必須の作業というわけではありません。
コンテスト出品や家庭で切り花にする際に、少しでも立派な(長くて太い)ステムにしたい場合は「した方が良い作業」です。
庭で咲かせて楽しむ場合は、不要の作業です。
ただし副芽を取らずに放置しますと、5月の花が終わるころには花枝の生え際の両側に爪楊枝程度の太さ・長さで小葉が3~4枚付いた小枝(これが副芽の「成れの果て」です)が茂ります。
この小枝は風通しを悪くし、薬剤散布の障害にもなりますので、花殻処理の時に切り取る必要があります。
要は今摘み取るか、後で切り取るかの差の問題です。
(なお、ツルばらでは手が届きませんので「副芽取り」はしません。フロリバンダはやってもやらなくても良いかも……私は取ります。)
副芽を掻き取る際には先端が「へ」の字に曲がった小~中型のピンセットがあると作業がしやすいと思います。
指先で副芽を取ろうとすると、大切な主芽まで傷つける「事故」が発生しがちです。
また、ばらの茂みに入り込んで作業する場合は、足や腕・お尻などで「隣近所」の芽を欠いてしまう「事故」も多発しますので、十分すぎるほど注意します。
実は、今日の作業でも大切な芽が数個犠牲になっています。
普通に庭で花を楽しむ場合は、どちらか一方(上の画像では左の副芽)を伸ばして花を咲かせます。
しかし一旦このような「事故」に遭った芽はコンテストレベルのステムにはなりませんので、私は健全な芽まで切り戻します。
「事故」でなくても「枝の切り戻し」が必要な場合があります。
上の赤い矢印の芽はわずかに動いてはいますが、固まっています。
これも「事故扱い」をして青い矢印(健全な芽のすぐ上)まで切り戻します。
その他、主芽が伸びずに副芽だけが2つ伸びていることもあります。
これも勢いの有りそうな芽だけを残します。
今日はこのように芽の整理をして、丸1日が過ぎました。
事故と言えば、ツルばらの誘引の際に折れたツル、
また捻(ね)じれたツル、
いずれも問題なく新芽が伸びています。
また、春の剪定はどこで切っても芽が出る……という例です。
品種はピアニシモ。
10年以上経過した古枝ですが「ダメ元」で新しいシュートと同じ高さで剪定しました。
すると古~~い「節(ふし)」の部分から芽が出ています。
この新芽が今後どれほどの太さになるのかは分かりませんが、とにかく古い枝を含めて「春はどこで切っても芽が出る」という「掟(おきて)破りの剪定」が通用する例です。
ただし繰り返しますが、品種により例外はあります。(ブルーシャトーは枯れます……いや、枯れました。)
「二毎芽剪定」など私が実践している「アブナイ剪定」は、くれぐれも自己責任でお願いします。