光の春……と言うにはまだ1週間ほど早いのですが、夕方5時になってもまだ小豆島の上にお日様が居ます。
ひと月前には、夕方5時には暗くなっていたことを思えば、随分日が長くなりました。
外気はヒンヤリと冷たいのですが、南向きの縁側で接ぎ木苗の御機嫌をうかがっていると、ついウトウトしそうです。
衣装ケースの蓋(ふた)を全開にしてあっても、窓ガラス越しに直接日が当たると、
30℃を超えてしまいますので、薄いカーテンで日光を遮断するなどの注意が必要です。
今のところ、接ぎ木した35株すべてが活着した様子。
今後、成長の思わしくない株も出るとは思いますが、貧弱な穂木の八甲田も含めて、今年も接ぎ木の成功率は100%です。。。(天狗になっています。)
私は敢えて「節(ふし)」の部分を穂木として使うと何度も書いていますが、
右が教科書通り、1芽だけを接いだ株です。
左が「節」を穂木にしたものです。
1芽だけの苗は、その1芽だけに養分が集まりますので、勢い良く伸び始めています。勢いが良い分、30㎝ほどステムが伸びると先端に蕾が乗り、関西では3月下旬以降、ホームセンターや園芸店などで「バラ苗」として市販されます。
確かに「蕾~花」が付いていますので、ばらの品種に詳しくない一般のお客さんには、この上ない「花の見本」になります。
見た目も「花の苗」らしいため、ばら苗業者さんはこの「1芽だけの苗」を生産なさいます。
(もっとも、春苗に花を咲かせてしまうとその後の成長が極端に悪くなりますので、「また新たに苗を買う」という悪循環になり、業者さんの思う壺にはまるのが、よくあるパターン。その結果、一般に「ばら栽培は難しい」という間違った常識が定着してしまっているのは、苗を売りたい業者さんに責任の一端があるように思います。基本さえマスターすれば、ばら作りは難しくない……これが関西ばら会が隔月に開催している「やさしいばらの育て方」講習会の趣旨です。春苗に関して言えば、蕾が見えたら一番上の5枚葉の所でピンチして、8月いっぱいは花を咲かせない。。。この基本さえ守れば、秋には立派な花が見られます〈見られるハズです〉。)
一方、節を接いだ苗は、接ぎ木時点では芽が見えていないことが普通ですので、発芽がやや遅れます。
節の部分から2~4芽が動きます。
養分が分散してしまいますので、それぞれのステムは細く短く蕾の付かない「ブラインド」になることが普通です。
これでは「商品」になりませんので、業者さんはこんな接ぎ方をしませんが、私は素人考えで「節の部分がクラウン(株元)に成長すれば、〈ベーサルシュートの元〉が数多く内在するのではないか」と理屈をつけ、節の部分を穂木としている次第です。
それはさて置き、1月4日に接ぎ木をしてから1度だけ灌水しましたが、芽が動き始めましたので、今日は灌水代わりに薄い液肥を与えました。
ばら展の賞品として頂戴した液肥ですが、灌注は100倍、葉面散布は200倍で使用と書いてあります。
今日は灌水代わりの液肥ですので、200倍で与えました。
私の接ぎ木苗はビニールポットに植えてあります。
鉢底が「上げ底式」になっている通常の植木鉢と違ってビニールポットは底が平らですので、地面に置いたまま潅水すると、与えた水が下から抜けず、鉢底に溜まって根腐れの原因になりかねません。
灌水後はポットを持ち上げて、底から十二分に水を抜いてください。
私は、
ブロックの穴を利用して、ポットの底に空間を作り、水が抜けるようにしています。
4日前には雪に埋まっていた鉢植えたちですが、
芽が随分動いています。
穂木を採った枝はすでに「二毎芽(にまいめ)剪定」状態になっています。
今度の土・日は立春も過ぎますので、そろそろ「春花剪定」を実施してもよい時期です。
ただし、2月5日(日)は「やさしいばらの育て方」講習会ですので、私はその次の週(11・12日)に、お天気と相談しながら剪定するつもりです。