天気予報通り、しっかりとした雨が降り続いています。
昨日午後、庭いっぱいに差し掛けたビニール傘は、昨夜の強風で部分的に飛ばされかけていましたが、概ね良好……開花を始めた蕾を守ってくれています。
朝ー3の画像の右下にピントの外れた蕾が写っています。
この花首がぐにゃぐにゃの蕾こそ、昨日の記事でご紹介したピンクラスターです。
添え木を当てないと、こんな感じで花首が曲がります。
地植えにはビニール傘を差し掛けましたが、鉢植えは放ったらかしです。
これだけ雨に濡れますと、明後日あたりから花弁のシミが目立ち始め、3~4日後には腐り始めて、やがてボトリチス(灰色カビ病)が発生します。
本来はすべて採花して、シミが出るまでの2日間ほど切り花で楽しみたいところですが、連休も今日で終わりですので、花を切る時間もなさそうです。
腐るまで放置して、道行く方々に「遠目」で見ていただくことにします。
今日は一日中雨に降り籠められ、全く庭仕事ができませんでした。
時間ができたおかげで、「大阪ばら祭2023」関係の事務仕事をすることができました。
11日(木)の会場設営の際に持参する、コンテストの種目別「看板」の印刷やら会長賞の賞品の準備やら……
昨日の記事の中でシージャックやコンフィダンスの花芯のことを書きました。
関東にお住まいの方から「花芯とは何か。どういう花芯が良いのか」というメールをいただきました。
花芯の良否はHT種のコンテスト品種だけの話で、ガーデンで咲かせて楽しむ場合は全く気にする必要はないのですが、これからコンテストを始めるという方やコンテストを御覧になる方々の参考までに、ちょっと触れておきます。
まず、良好な花芯の例ですが、
ご覧のように四方八方から巻いた花弁の中心が1つにまとまり、かつ爪楊枝の先が入るくらいの空間があいていることが必要です。
このように ↑ 中心の空間が見えないものは「被(かぶ)っている」と言われ、致命的な減点対象です。
また、
周りの花弁が渦巻き状になって中心に集まっているものは「風車(かざぐるま)」と言って嫌われます。
「良好な花芯」の画像のように、四方八方から巻いた花弁の中心が1つにまとまり、時間の経過とともに自然にほぐれる感じに巻いていることが必要です。
この「理想的な花芯」の状態は、その日の気温や品種によっても違いますが、普通は30分~1時間程度しかありません。
(ただし、稀に「良く咲いた花」は翌日になっても花芯が良い状態で残っていることがあります。)
コンテストの審査時間に理想的な花芯になるよう、その日の気温や移動距離、利用交通機関(自動車による移動は振動があって、花芯の緩みが早い)などを考慮して、コンテスト当日の早朝(時には前日の夕方)に採花して水揚げを行います。
以上は、とりあえず「花芯が1つにまとまっている」例です。
次の例はコンテストでは予選落ちするタイプです。
花芯がありません。
ただしガーデン用の品種や最近流行の洒落た品種には、このタイプの花形が本来の姿であるというばらが増えました。
オールドローズのようなロゼット咲きやクオーター咲きを意図して品種改良されたものも多くなり、実際によく売れているようです。
しかし私個人としては、やはり花芯がキリッとした花が美しいと思います。
花の中心の筒の部分が「桃尻」状に巻き込むことがあります。
もちろんこのタイプの欠陥があれば予選落ちです。
いずれにしても花芯の良否には、肥料の与え方をはじめとする栽培技術の巧拙が顕著に表れます。
コンテスト会場で審査員が花を上からのぞき込んでいるのは、この花芯を見ているのです。
私自身が審査する場合は、花の発色や鮮度・大きさ、花とステムのバランス、葉の状態(病気や虫害は論外。風やとげによる損傷の有無などなど)等ももちろん採点対象ですが、花芯の良否のウェイトが最大です。
さて「ばらカタログ」ですが、今年のゴールデンウィーク中に撮影した画像で、4月29日以降、ご紹介していない品種を中心に並べます。
今朝撮影したものは雨に濡れていて、本来の姿ではありませんので、悪しからず。
我が家で枝変わりしてツル化した株にたくさん咲いています。
今シーズンはちょっと小ぶりです。
こちらはいつもよりも大きな花が咲きました。
いつもながらのふっくらとした花容です。
春はグチャグチャになることが多い魅惑ですが、今年は比較的良く花芯がまとまっています。
まだ3分咲きですが、人様に差し上げるために採花してしまいました。
手児奈の姉妹作ですが、今一つ迫力のある花が咲きません。
私の栽培法には手児奈の方が合っているようです。
今シーズンは首曲がりの多いのが気がかり。
これもこの春は首曲がりが多くて……
ここ数年マイブームになっている絞り系の代表品種です。
昨年接ぎ木をしたお世継ぎ株に咲いた花です。
やや小ぶりで、自宅用切り花のために栽培しています。
この春は花弁の欠刻が目立ちます。
古い品種ですから弁質が弱く、これだけ雨に濡れるとすぐに腐ります。
雨にもかかわらずエエ発色をしていました。
花芯の中心がポッコリと陥没するのは御愛嬌?
やや小ぶりな古い品種です。
香りを楽しむために栽培しています。
鉢植えで3株栽培していますが、一斉に開花してしまいました。
雨の中ですが、発色は良好です。
これまた一斉に開花してしまい、週末のコンテストには在庫切れになるかも。
樹齢35年以上の株ですが、いまだに現役です。
ビニール傘のおかげで濡れずに咲いています。
上述のダイアナプリンセスオブウェールズの交配種です。
雨のため、発色がひどく悪いのですが、花形と大きさは一級品でした。
以下、フロリバンダ種です。
開花後すぐに黄色が消えて白くなります。
白色に紫の「目」もそれなりに面白いのですが、開花直後のこの黄色が美しいと思います。
やはり晴れの日の方がオレンジ色が輝きます。
房咲性が豊かではありませんが、花付き良く香ります。
細枝性ですが、房咲性は豊かです。
写真を見て気づきましたが、一番上の花の雄蕊の上にナメクジが居ますね。
樹勢強く大株になり、花もHT種に近い大きさがあります。
春よりも晩秋の方が色が濃く、魅力的です。
これまた、私は秋の色が好きです。
咲く時期によって花の色合いが全く違います。
低性の樹ですが、樹勢がよく花も大きく派手です。
今年は開花が例年より1週間以上早くゴールデンウィーク中に咲いたおかげで、時間のある休日に多くの写真を撮ることができました。
週明けから仕事……ですが、すぐに「ばら休み」をとって「ばら祭2023」に現(うつつ)を抜かすことにします。
ばら三昧があと1週間続きます。
関西ばら会の会員様はもちろんですが、会員様以外でブログを見て下さっている皆様も、来る12日(金)から14日(日)、鶴見緑地内「咲くやこの花館」で開催する「大阪ばら祭2023」にお越しくださいませ。
大阪ばら祭2023 | 大阪の植物園-咲くやこの花館- (sakuyakonohana.jp)
また、非会員の皆様も御出品いただける「一般・新人の部」の競技が毎日ございます。
もちろん会場でご入会いただけば「会員の部」にも出品していただけます。
どうぞ咲いているばらをお持ちください。
よろしくお願いいたします。
(関西ばら会の会員様で咲くやこの花館のお近くにお住いの方々、ばら祭前日の11日(木)午後2時から会場の設営を行います。もしもお時間がございますならば、お手伝いいただければ幸甚です。作業は1時間~1時間半で終了します。併せてよろしくお願いいたします。)