台風14号が九州から日本列島をゆっくりと縦断して、今朝、三陸沖で温帯低気圧になりました。
各地から人的被害のニュースも届いていますが、皆様のお宅は如何でしたでしょうか。
被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。
当地、明石でも19日午前中から南東の暴風が吹きつけ、アメダスによればまだ暴風圏に入る前の14時19分、南南東の風32.7m/sec というのが瞬間最大風速だったようです。
九州に比べれば穏やかとはいうものの、これだけの風速になると、海から直線距離で約2㎞離れた我が家でも潮の臭いがします。
しかし夕暮れ頃からしっかりと雨が降ってくれましたので、致命的な塩害は出ないだろうと気が楽になりました。
夕方18時から日付が変わるまでが、台風の中心が最も近づき暴風雨に要注意……と言われていましたが、この時間帯は幸いなことに比較的「静か」でした。
今朝、明るくなるのを待って外に出てみますと、
少しでも鉢を重くして転倒を減らそうと思い、昨日は強風の中で朝と夕方、鉢に灌水しましたが、その甲斐あって数鉢の転倒で済みました。
しかし、南側に植わっているツルばらは多くの葉が飛び、枝が折れています。
矢印はドンファンと枝変わりでツル化したザ・マッカートニーローズですが、
近づいて見ると、先端がほぼすべて飛んでいました。
また、前回(18日)のブログでは、
たくさん葉があった「荒城の月」ですが、今朝は、
みすぼらしい葉になっています。
風の影響を最も強く受けたのは、梅雨明け剪定をせずに懸崖部分が長く伸びたままの「つるデンティベス」です。
葉がほとんど残っていません。
晩秋に柿のような色になる実を楽しむために梅雨明け剪定をしなかったのですが、その実も大半は飛んでしまいました。
ツルばら以外にも、風当たりの強い場所にあった地植え株の葉が飛んでいます。
この株が枯れることはありませんが、秋の良花は望めません。
初めに鉢植えの転倒が少なかったと書きましたが、鉢に灌水をして重くしてあった以外に、「連環の計」を用いました。
通常は道路に面して2列に並べてある鉢は、陽当たりと風通しを考えて列間を30~40㎝空けてあります。
それを今回は、
2列の鉢を密着させておきました。
赤壁の戦いで曹操軍は呉・蜀の連合軍に「火攻め」で大敗しましたが、今回の台風14号にはこの「連環の計」が効を奏したと思います。
(ちなみに「連環の計―2」の写真、奥の数株は「レッドクリフ」です。)
なお、体力に自信のあった数年前までは、
台風が来る度に掘り込み式のガレージに主力選手たちの鉢を入れていましたが、今は昔の物語です。
あ、そうそう!ばらの栽培書に「台風の時は、通過するまで鉢を倒して風の害を防ぐ」と書いてあるものがたくさんあります。
とんでもない間違いです‼
鉢を倒すとどうなるかと言えば、こう ↓ なります。
これは「倒した鉢」ではなく「倒れた鉢」ですが、横倒しになっている間にステムは首を持ち上げ、上方に向かって伸びます。
その鉢を起こすと、ステムの先端はやはり上方に向かって伸びますので、たった1晩、横倒し状態にしただけでもステムはぐにゃりと曲がってしまいます。
この曲がりを矯正することはできませんので、「台風通過まで鉢を倒しておきます」などという記述を絶対に信じてはいけません。
雨が降って塩害の心配が減ったと書きましたが、もちろん皆無ではありません。
品種によって塩害の出やすいものもあるようです。
「塩害―1」の株(芳純)は樹勢が一気に弱まりそうです。
(こんな塩害を見るにつけても、浜辺に咲くハマナシはすごいなあと思います。)
塩害とは関係なしに、強風のために擦れたり折れたりしたステムがたくさんあります。
これらは秋の適期に花を楽しむことを諦めて、秋花剪定をした位置よりさらに5枚葉1~2枚下の位置(上の写真の矢印)まで切り下げます。
この際、例の「ひと仕事」(剪定箇所の葉を葉柄でむしり取る)をして、剪定箇所の芽を着実に目覚めさせます。
こうすれば11月下旬以降に花を見ることができるはずです。
さて、剪定以降ずっと見ていただいているステムたちですが、
無事でした。
しかしよく見ると、
葉の先端部分(矢印)を中心に塩害が出ています。
これでコンテスト出品は100%無くなりました。
自宅の切り花になると思います。
一方、レッド広島は、
両方とも無傷です。
まだコンテスト出品の望みが残っています。
以上、台風14号通過後の様子でした。
「台風の後始末休暇」とか言って前もって有休をとってありましたので、長々とご報告いたしました。
この台風で被害に遭われた皆様に、改めて心からお見舞い申し上げます。