暑い日曜日になりました。
アメダスを見ますと、神戸の最高気温は30.6℃、大阪は31.8℃、豊中はなんと33.1℃とか。
各地で早くも真夏日になっている中で、当地・明石は海に近いこともあり最高気温27.0℃と、まだ平和です。
さて、今日は予定通り朝から地植え株に1年間分の元肥を与える作業をしていました。
日本に存在する(たぶん)全てのばら栽培の書物には「12月に元肥を与える」と書いてありますが、私は梅雨入り前の今の時期に与えます。
理由等は、後で詳述します。
今日与えた肥料は、
レバーボカシ(N:P:K=5:5:5)……5㎏×4袋
ミートンエース(N:P:K=7:4:4)……20㎏×1袋
です。
ミートンエースは食肉処理施設(屠畜場)で生じる血液・肉片・骨・体毛などを使った有機肥料で、鉄・マンガン・カルシウム・ホーソ・マグネシウムなどの微量要素を多く含有していますので、毎年必ず使用しています。
購入先は、浜松市の宮本肥料店です。
ミートンエース - 宮本肥料店 (momigara-taihi.com)
本当はレバーボカシを40㎏使いたいところですが、何分にも高価なので、近くのホームセンターで安価な肥料を購入している次第です。
これらを地植え(約90株)に与えますが、多肥品種・寡肥品種などの区別はしていません。。。と言うか、区別できません。
30数年前にガーデン派を卒業してコンテスト品種に植え替えた際には、区画ごとに多肥グループ・寡肥グループと分けていましたが、気に入らない品種を抜いたり、成長の悪い株を植え替えたり、コンテスト常勝の品種を導入したり……と植え替えを繰り返しているうちに、多肥品種と寡肥品種が入り混じるようになりました。
しかも地植えの場合は、それぞれの株の根がどこに伸びているのか分かりませんので、多肥・寡肥を区別して施肥することは、所詮無理なことだと思います。
というわけで、上記の肥料をほぼ均等に地面に撒き、手鍬(てぐわ)で5~10㎝程度の深さに耕しながら土と混ぜます。
何枚も画像を並べてしまいましたが、よく分かりませんね(笑)。
しかし土を掘り返して、ふっくらとしていることだけはお分かりだと思います。
そもそも、なぜこの時期に元肥を与えるのかと申しますと(2021年5月23日「元肥入れ作業」にも同じことが書いてありますが)、
◎メリット
① 5月の春花が窒素肥料の効いていない状態で咲く。
教科書通りに12月に元肥を与えると、肥料の分解が始まるのは気温の上昇する4月以降。すると当然5月には窒素が多く残っており、花形を乱したり花色をボカしてしまう元凶になると考えます。したがって私は12月にはリン酸肥料として「バッドグァノ」と土壌改良材として「もみ殻堆肥」(「燻炭(くんたん)」ではありません、「堆肥(たいひ)」です)を与えるだけです。
② シュートの発生、樹の栄養成長期の養分に資する。
気温が高い時期である上に、やがて降り続ける梅雨の雨によって肥料の分解が促進されるます。樹は2番花のステムを伸ばし、シュートも多く発生する時期で、窒素肥料を必要とします。まさに窒素肥料を与えるのは「今でしょ!」というタイミングだと思います。
③ 秋花への悪影響が少ない。
ばら栽培の教科書は8月に「夏の追肥」を与えるように指導しています。8月に与えた肥料はたぶん10月までには消費されて、秋花に影響しない……はずですが、欲張って与えすぎますと、秋まで肥料が残る可能性があります。そして何よりも、8月の施肥作業は暑さとの戦いになります。前期高齢者の仲間になったジジイには、ちとキツイ作業です。
一方、梅雨入り前に元肥を与えることに問題点もあります。
◎デメリット
① うどん粉病が出ます。
梅雨の雨で肥料が分解し始めますと窒素分が効きますので、ステムは見た目は太いのですが柔らかく、葉は大きく(いわゆる「柿の葉」)なります。樹が一時的に軟弱に成長しますので、うどん粉病が発生し易くなります。しかも梅雨の最中で薬剤散布の予定が降雨のために延期・延期となると、庭中が真っ白になります。
② 作業中の「事故」
今、まさにシュートが発生している時期です(上の画像「施肥ー3」「施肥―5」にもシュートが写っています)。株の間に潜り込んで、手鍬(てぐわ)で肥料と土をかき混ぜているうちに、お尻や足で後や横の株の「虎の子シュート」を折ってしまう「事故」が起こりがちです。実は今日も、2本(レッド広島の極太とコンフィダンス)のシュートをヤラカシました。。。(涙)
③ ショウジョウバエの大量発生。
施肥後5~6日目以降、しばらくの間ショウジョウバエが大発生し、家の中に入り込む可能性が高くなります。家が立て込んでいる街中では近所迷惑この上ないかもしれません。我が家では、家内の大顰蹙だけで済みますが。。。(この項目、6月3日にこっそりと追加。)
さて施肥以外には、いつものように早朝に採花。
今朝はちょっと控えめでした。
今日の1輪は、ショッキングブルーでしょうか。
ツルばらにはまだ1番花の「在庫」が若干残っています。
しかし、早咲きの荒城の月(右側の懸崖造り)は……
この2週間ほど、ばら展関係の様々な事務作業に追われて手が回らず、花がらがミイラ状態になって残っています。
早く切り取らないといけないのですが……来週は土曜日=病院巡り、日曜日=「やさしいばらの育て方」講習会で、作業ができない。。。
そうこうしているうちに、1.5番花が間もなく咲きそうです。
鉢植えはすでにポロポロと咲き始めています。
昨年大晦日に接ぎ木した新苗は、植え替えから50日が経過しました(4月10日「接ぎ木苗の植え替えをしました」参照)。
もう一回り大きい鉢に早く植え替えたいのですが、これまた時間がなくて2週間以上後の作業になりそうです。
そこで、せめて鉢から出ている白根を「助けたい」と思い、鉢をすべて土の上に置きました。
こうすると、白根は土の中に伸びていきます。
んが、注意しないとガッチリと根を張ってしまって抜けなくなる恐れがあります。
接ぎ木と言えば、4月3日「4月の講習会 盛況でした」の記事でご覧いただいたマーガレットメリルのスタンダードですが、
これが今日は、
こんなに成長しています。
「我が家の顔」のお世継ぎができました。
そんなこんなで、今週末の2日間も「アッ」という間に終わりました。
上述しましたが、来週の日曜日(6月5日)は、午後2時~4時に、長居植物園「花と緑と自然の情報センター 1F」で「やさしいばらの育て方」の講習会を開催します。
テキストも本日完成しました(週の中盤以降、例によって画像だけはこのブログにUPします)。
会員以外の皆様も、どうぞご参加ください(教材費¥200が必要です)。
前もって「花と緑と自然の情報センター」(06-6694-8788)にご予約いただくのが原則ですが、当日、会場でも受け付けますので、ご遠慮なくおいでください。