陽射しは強かったものの、北寄りの強風が吹き続けるひんやりとした1日でした。
明石のアメダスでは、昼前に北北西の風 14.9 m/sec、最高気温は 17.8 ℃。4月上旬並みの気温でした。
例によって、本日のツルばらの様子です。
この1週間で花首が伸びています。
1週間前は
同様に鉢植えのHT種は、
矢印はダブル ディライトですが、近づくと
萼に隙間ができ白い花色がわずかに窺えます。
この状態から見頃までは、12~14日です。
この蕾はゴールデンウィーク前に開きそうです。
ちなみに先週は、
こんな姿でした。
ほとんどすべての株で蕾が確認できる時期になりました。
逆に、蕾の乗っていないステム(ブラインド)もわかりやすくなりましたので、発見した際には5枚葉を1枚付けてピンチしてください。(詳細は4月9日「芽の整理を終わらせました」をご参照ください。)
蕾の乗っていない枝は、矢印のようにステムの先端がほっそりしています。
先端の3枚葉・1枚葉(柳葉)をかき分けて蕾のないことを確認してから、
一番上の5枚葉のすぐ下を爪で折ります。
かなり太いステムでもブラインドになることが多々あります。
ステムが3~5㎝ほど伸びて花芽ができる時期に寒さに遭うとブラインドになる……と多くの書物に書いてあります。
確かに様々な品種で同時にブラインドが多発する年がありますので気候(気温?)との関係は否定できないと思います。
とは言うものの、品種の特性かな?……というのが私の実感です。
手児奈(上の写真が手児奈です)やメルヘンケーニギンはブラインドの出やすい品種だと思います。
マイナー品種では、レッド広島・クリア ムーン・ラディアント パフューム・ドリー パートン・ヘレン ノードなどもブラインドの多い品種です。
希和に至っては春の1番花を見たことがありません。100%ブラインドです。
ただし、ブラインドが多発しても悲観することはありません。
今ピンチしておけば、そこから伸びる芽には(ほとんどの場合)蕾が乗り、1番花が終わった6月上旬~中旬、2番花が咲くまでの花のない時期に、1.5番花として目を楽しませてくれます。
ブラインドの処理をするのと同時に、蕾のピンチもしました。
すなわちHT種では副蕾のピンチ、FL種では主蕾のピンチです。
先端がへの字に曲がった小型~中型のピンセットなど(古い先生方は爪楊枝)を使って、副蕾を取り除きます。
これは分かり易い入門者レベルの側蕾処理でした。
通常はもうちょっと複雑です。
主蕾を傷つけないように副蕾を取り除きます。
慣れないうちは、もう少し副蕾が大きくなってから(3~4日後に)行った方が無難です。
主蕾を折ってしまって「あっっっ!」という失敗……私も数えきれないほどたくさんやらかしました。
FL種は逆に主蕾をピンチします。
そうすることによって「子供世代」の花が同時に開き、房咲種の本領を発揮します。
主蕾が先に開花し、それが散ると房の真ん中が「ブラックホール(花のない空間)」になってしまいます。
主蕾をピンチすることによって多くの花が同時に咲いて、房の間に隙間が無くなります。
さて、一昨日(公財)日本ばら会より配布苗と試作苗が届きました。
例年は2株の苗の良否の差が極端で、出来の悪い方の苗は初めから栽培を諦めることが多かったのですが、今年はまずまずの出来栄えの芽接ぎ苗が2株届きました。
芽接ぎ苗であっても切り接ぎ苗であっても、蕾は絶対に咲かせてはいけません。
(品種を確認するために蕾を残す場合でも、萼が下りて花色を見た段階で、その蕾を切り取ります。「花を咲かせる」とは「ステムを固める」ことになり、次の芽出しを遅くする=初期の生育を遅らせる結果になります。新苗は夏の剪定まで花を咲かせず、蕾のピンチを励行しなければなりません。)
新苗は芽接ぎ苗も切り接ぎ苗も、一番上の5枚葉の上でピンチします。
この状態で5号スリット鉢(長型)に、例の用土といつも変わらず多量のマグアンプKを投入して植え替えました。(植え替え方の詳細は、前回4月10日「接ぎ木苗の植え替えをしました」をご参照ください。)
前回4月10日の記事では、切り接ぎ苗を植える深さは「接ぎ木部分ギリギリ」と書きました。
しかし芽接ぎ苗は必ず「接ぎ木部分を地表より上に出す」という植え方をしてください。
2~3週間もすると、接ぎ口の両脇・上下(矢印部分)から新しいシュートが次々と発生するはずです。
最後に、これまた例によって鉢を水に沈め、鉢底から十二分に水を吸わせて植え替え完了です。
さて、本来は今日の夕方、定期薬剤散布をする予定でしたが、強風のため明日に延期しました。
散布する薬剤等、また明日ご報告いたします。