本日「やさしいばらの育て方」、4月の講習会を開催いたしました。
講習会開始の頃には小雨が降っていましたが、会員様を始め、一般の方々も多くご参加いただき、ありがとうございました。
さて、本日の講習会の折に話題に上った事柄をいくつか取り上げます。
まずクロロシス(欠鉄症・微量要素不足)です。
偶然にも我が家の鉢植えの症状を、今朝撮影しておりました。
「千羽鶴」の鉢植え2株ですが、左の株の葉の色がよくありません。
一般にこの手の異常は秋に多い症状です。
我が家では昨秋、今までに経験したことがないほど多くの株にクロロシス症状が出ました。
この春はほとんどの株が正常に戻っていましたので安心していたのですが、中に1株だけこんなヤツ ↑ がいました。
参考までに、大昔の日本ばら会「ばらだより」にあった画像を貼っておきます。
この図によれば、我が家の「千羽鶴」は鉄不足のようです。
治療(対策)として、上の画像にあるように活力剤のアンプル(メデールやハイポネックスなど)を鉢に刺しておきます。
2~3週間で回復すると思うのですが……またご報告いたします。
次に「芽の整理」のサンプルとして、講習会ではミニ種を使いましたので、わかりにくかったかもしれません。
昨日私がHT種で行った例をご紹介いたします。
モデルは大月先生作出の「レディー サワ」です。
株を「下の方から見る」が合言葉です。
不要な芽を摘み取ると、足元がスッキリして風通しが良い(=薬剤がかかり易い)状態になりました。
親指の太さの枝に3(~4)本【この画像にはそれに該当する枝がありません】、小指の太さの枝に2(~3)本、鉛筆程度の太さの枝に1(~2)本のステムを伸ばします。
同様に、地植えも
これが、
こうなります。
指が入りにくいところは、「への字」型のピンセット(大型)で不要な芽を取り除きます。
(この株は親指の太さの枝【一番左の枝】がありますので、3本の芽を残してあります。)
講習会ではお話いたしませんでしたが、多少の問題が生じている株があります。
この1週間は気温の低い日が続きましたので、品種によっては「凍傷」を起こした株があります。
矢印部分に近づきますと、
こんな感じで葉が縮れています。
以前は薬害か?と思っていましたが、夏の剪定後に伸びる新芽にはこの症状が全く出ませんので、この20数年来「凍傷」と断定しています。
品種によってこの症状が顕著に出るものと全く出ないものとがあります。
(画像はユートピアです。この品種以外にもラディアント パヒュームなどに顕著に出ます。)
この縮れた葉は、決まって5枚葉(本葉)の上から2段目あたりになり、1本花でコンテストに出品した場合は「最も目立つ真正面」に来ることの多い葉です。
というわけで、凍傷の出たものは1本花でコンテストに出すことはありません。
(組花にして縮れた葉を隠したり、浮花競技に花首だけを水に浮かべて出品したりはしますが。。。)
陽当たりの良い場所に置いたHT種は、早くも蕾の見えているものが多数あります。
それと同時に、ガ(ヨトウガ・ハマキガなど)の幼虫の食害を受けた株もあります。
ただし ↑ 画像の犯人は、先週の薬剤散布により駆除できている様子です。
1週間に1回の薬剤散布が必要な時期になっていることを実感します。
というわけで、昨日(2日)に、今年の2回目の薬剤散布をしました。
先週同様、薬剤の濃度を3分の2程度にする「薄めの薬剤散布」が必要です。
サルバトーレME(殺菌剤)……15CC
ジェイ エース(殺虫剤)……40g
アプローチBI(展着剤)……50CC
水……60ℓ
その他、いくつかのご報告です。
接ぎ木した苗たち ↑ は順調です。
また芽接ぎのスタンダードも
順調に芽が伸びています。
先週、捨てずに残した台芽は、
完全に根付いています。
ただしこの台木、葉の色が濃いグリーンですし、本葉は5枚葉です。
本日の講習会でお話しした台芽の見分け方は「細い茎/淡い緑の葉/本葉が7~9枚葉」でしたが、この台芽は「細い」以外は該当していません。
台木にも数々の品種があるようですので、一概に「台芽=細い茎/淡い緑の葉/本葉が7~9枚葉」とは言えないような状況になっています。
何はともあれ、本日の講習会にご参加くださった皆様、お疲れさまでした、併せてありがとうございました。