昨日に引き続き春らしい陽射しに恵まれましたが、午前中は西風が強く庭仕事を始める勇気が湧きませんでした。
暖かい部屋でPCに向かって「やさしいばらの育て方」講習会の4・5月分のテキスト原稿を書き始め、薬剤のRACコードを調べたり古い画像を探したりしているうちに夕方近くになりました。
せっかくの好天にもかかわらず、室内で1日を過ごしてしまいました。
夕方になって慌てて撮影した今日の我が家の様子です。
昨年大晦日に接ぎ木をした苗たちですが、よく見ると蕾が乗っているものがありました。
もう少し蕾が大きくなってからピンチします。
一昨年の1月に接ぎ木をしてその年のうちに地植えにした「2歳児」の株たちは、株元の芽が盛んに動いて、いかにも若々しい感じです。
また、昨年12月に瀕死の老木だった武州を抜きましたが、その跡地に収まった「1歳児」も、
勢いよく新芽が伸び始めています。
さて、今日もこれといった作業の画像がありませんので、昨日に引き続き世間にはあまり出回っていない(現在では栽培者が少ない)と思われる品種をご紹介します。
今日は(公財)日本ばら会の配布苗や斡旋苗で、最近のコンテストではあまり見ない花の画像を並べます。
安田祐司氏、1991年の作出花だと記憶しているのですが、間違っているかもしれません。
藤色系の中ではボリュームのある花ですが、藤色というよりはピンクに近い色です。
「ブーさん」こと高橋武氏の1993年の作出花です。
初めは「光彩」という名前でしたが改名されました。
「和子さん」とは日本ばら会の会長でもあった吉田茂元首相の末娘で、現・名誉総裁三笠宮寛仁親王妃信子殿下及び現会長麻生某の御母堂様でいらっしゃいます。
花弁が厚くしっかりとしていますが、開花した後の外弁の伸びがなくカチッと固まる咲き方をしますので、関西好みではありません。
2004年、平野平三郎氏の作出花です。
照り葉の美しいアプリコット色の「美味しそうな花」です。
花の大きさ・花形・色合いともに平均点の花で、コンテストに出品しようというレベルの花を見たことがありません。
2006年、大月啓仲先生の作出花です。
同じ大月先生の「鎌倉」(2003年)よりも濃い黄色で退色しませんが、花数が非常に少ないのが残念です。
(我が家の黄色の主力品種は「鎌倉」の方です。鎌倉はトゲのないばらとして、栽培者が多いと思います。)
個人的に大変お世話になった内山與八氏の作出花です。
作出年は2000年代の前半ですが、詳細は失念しました。
「咲華都(さかと)」と同様に、作出者の内山さんが成熟した株を送ってくださったもので、大きさも花形も素晴らしい花です。
内山さんの最高傑作だと思います。
同じく内山與八氏の作出花で、上記トシコと同じ年の作出だったと記憶しています。
希和ちゃんはお孫さんの名前だそうです。
際立った特色のある花ではなく、よく言えば飽きの来ない、悪く言えば平凡な花です。
1998年、林駿三氏の作出花です。
大輪で卑弥呼(小川宏氏作出)を思わせる花容ですが、やや細立ちです。
林氏には、秋の紅葉を司る女神であるこの竜田姫に対して、春の花を司る女神である佐保姫(1995年作出)という品種もあります。
佐保姫はもう少し淡いピンクの花で、最近まで我が家で栽培していましたが、どういうわけか画像が残っていません。
竜田姫・佐保姫ともにコンテストで見かけることはないと思います。
日本の作出花、特に日本ばら会が関与している品種は、手児奈やファーストレディーなんちゃら、魅惑などコンテストに強い品種ばかりがもてはやされ、コンテストで使えない品種はすぐに消えていく運命にあるようです。
私自身もコンテスト派の栽培をしていますので、コンテストで勝てる品種か否かで栽培品種を選んでしまいますが、コンテストで使えなくても魅力的な花がたくさんあることは承知しているつもりです。