随分長い間続いた真冬並みの気温から、今日はやっと春らしい気温になりました。
この1週間、ツルばらの芽はほとんど動いていなかったようです。
先週(2月20日)の写真と比べて、ほとんど変化がありません。
鉢植えも同様です。
2月20日の記事の写真と大差ありません。
しかし屋内で暖かい南向きの縁側に置いてある接ぎ木苗は、日に日に成長しているのがわかります。
さて、本日の作業は……接ぎ木苗に液肥(ハイポネックス1000倍)の灌注と鉢植えへの灌水のみで、大きな作業は出来ませんでした。
というわけで、我が家で咲いたばらの画像を並べます。
今日は20世紀に発表された品種で、現在では目にする機会の少ない品種をご覧いただきます。
とは言うものの、新しいばらの苗業者が増えた昨今ですが、古い品種を扱っている老舗業者さん(姫野ばら園さんなど)には親木が保存されていて、年末までに接ぎ木の依頼をすれば春苗を入手できる品種も多いのですが。。。
まずは、以前にも1回(別の)画像をご覧いただきましたが、ナルチッセです。
1938年以前の作出ということになっています。
花弁が柔らかく、雨には大変弱い弁質です。
樹勢は悪くはありませんが、なぜか突然枯れ込んでお亡くなりになることが多く、常に2本以上を同時に栽培していなければ、お世継ぎが無くなる恐れがあります。
次もピース以前の品種です。
1939年の作出ということです。
白さの純度では、私の知る限りにおいて1番だと思います。
古い品種であるにもかかわらず丈夫な品種で、20年以上経過しても株は生きています。
とは言うものの樹勢が旺盛というわけではなく、株元は細いままです。
次はピースの一族です。
1945年の作出で、フランシス メイアンが娘に贈ったばらだそうです。
私がコンテストの世界に入って真っ先に1等賞を頂戴した品種で、思い出も多くはなく、「可憐」という表現がぴったりする品種です。
次は1947年のアメリカの花です。
私がまだ駆け出しのころ、フロリバンダ種のアプリコットネクターが好きでしたがHTではありませんので、コンテストには使えません。
そこで故寺西致知先生に「アプリコットネクターに似た感じでコンテストに使えるHT種はありませんか?」と尋ねたところ、教えてくださったのがこの品種です。
結局コンテストに出品することなく終わっていますが、好きな品種(我が家ではこの手の色は「おいしそう」と表現します)です。
次は黄色品種です。
1960年の作出花で、我が家では「レモンちゃん」と呼んでいます。
先代さんは何匹ものテッポウムシを育てた上に、私が不注意で株の根元を「股裂き」で真っ二つに割ったにもかかわらず、30年以上生き延びました。
現在では接ぎ木した2代目が鉢植えになっていますが、3年に1輪だけ良い花を咲かせます。
なかなか良花に巡り合うことのできないムズカシイ品種だと思います。
次はコンテスト派の皆さんにはおなじみの日本の作出花です。
1961年の作出です。
春には外弁に欠刻が出たり花芯がグチャグチャになったり……と、とんでもない花ですが、秋には抜群の花容を見せます。
強健な品種ではありませんので、栽培技術の高さを自慢するには「もってこい」の品種だと思います。
次もあまり珍しくはないでしょうか。。。
1969年の作出花です。
強健な品種で30年以上鉢植えで咲いています。
季節(気温)によって、色合いが変わるのも面白いです。
ハークネス(イギリス)の花が続きます。
1987年の作出花です。
柔らかいピンクがエエ感じの花です。
弁質が良く、雨にも強い花弁です。
これまたイギリスの花ですが、これはジェイムズ コッカーの作出花です。
柿(富有柿?)を思わせる花色で、これまた「おいしそう」です。
樹勢は旺盛そのもので、大変育てやすい品種です。
ただし花足が非常に早く、写真のような剣弁高芯状態を保つのは15~30分程度。
見る見るうちに平咲きになってしまいまうのが非常に残念です。
しかしこの花色に魅せられて、捨てられずにいます。
時間が遅くなりましたので、最後に日本の花(京成ばら園作出)をもう1つだけ。
名前の通り1990年の花です。
営利切花用の品種で、一般の苗販売はされなかったようですが、故笹島辰子先生から穂木を頂戴して、今なお我が家の切り花(近所へのお配り用)の主力を担っています。
登録はHT種だそうですが房咲性が豊か(1房に5~8輪)ですので、我が家ではフロリバンダとして扱い、手入れをしています。
世間にあまり出回っていないと思われる品種をご紹介いたしました。
2000年以降の品種、あるいは日本ばら会関係の品種は、また明日以降にでもご紹介しようと思います。