「ばら作業休暇」4日目にして、ようやく穏やかな天気になりました。
午前中は昨日に引き続きツルばらの誘引の作業をしました。
我が家自慢の懸崖造りの誘引です。
下から見ると、↓ こんな感じです。
ただし、近くで見ると「無理をした跡」が散見されます。
ねじった結果、古い枝が裂けています。
9月末以降に伸びた若いシュート枝。
まだ充実しておらず柔らかいので、「くの字」に折れました。
充実した太いシュート枝ですが、限界を超えて下方に引っ張られ、表皮が裂けて悲鳴を上げています。
以上1~3の傷ついたツル枝ですが、どうせ来年7月頃までの「使い捨て」ですので、傷があってもまったく気にしておりません。
これで年間の作業の中で「最も痛い作業」が終了です。
(今日も素手でトゲと格闘して、10指及び両手の甲が傷だらけになっています。)
午後から鉢の土替えの作業を開始しました。
まずはガレージから園芸の土・赤玉土・腐葉土を持ち上げる作業が重労働です。
階段が32段あります。
今年4月から右ひざを痛めて隔週で整形外科に通っている身には苦痛です。
間もなく次男が年末年始の休暇で帰って来ますので少しは頼れますが、私が70歳を超えるころ(5年先)には鉢は諦めなければならないかな?
昨日も書きましたが、鉢の用土は「園芸の土:赤玉土(中粒):腐葉土=1:1:1」です。
ではでは、私自身の「鉢の土替え」の手順を2021年バージョンでお見せします。
各シュートを40㎝程度に切り、葉をすべて除去します。
抜けにくい時は、鉢を横倒しにして数回軽く地面に打ちつけ、かつ鉢の側面を握りこぶしで何度か叩(たた)きます。
できる限りすべての土を落とします。
この時、根頭癌腫の有無を十分に確認します。
この株には癌がありませんので、次のステップに進みます。
(癌があった場合の対処法は、明日以降の作業でガンを発見した時に紹介します。)
根を思い切って剪定してしまいます。
私は一握りの長さ……10~12㎝にしてしまいます。
太い根が有っても関係ありません、問答無用でバッサリとやります。
(ここで根を水洗いして根頭癌腫の有無を再度チェックすれば完璧ですが、私は面倒なので水洗いはしません。)
今ご覧いただいている鉢は10号鉢ですが、我が家の主流の8号鉢に植わっている連中は、基本的にずっと最後まで8号鉢で生活してもらいますので、鉢を大きくする必要がないように(8号鉢に収まるように)根を短く切ります。
次に枝数・シュート数の調整(制限)をします。
これは鉢植えで立派な(コンテストレベルの)花を咲かせるために、私が行っている作業です。
何度か書いていますが、私は8号鉢ではシュートを2~3本に、10号鉢ではシュートを3~4本に制限します。
限られた数の花に養分を集中させるためです。
したがって、コンテストなど関係のない・たくさんの花を楽しみたいという栽培であれば、まったく不要な作業ですので、ここはスキップしてください。
①のシュートは方向が悪い(春先に伸びるステムが、すぐ上のシュートと重なる)ので、生え際からカットします。
②の枝は3年目の古枝ですので、根元からカットします。
私はできるだけ前年に出たシュートに春花を咲かせたいと思っています。
シュートが出なかった場合は、2年目の枝までは残して春花を咲かせます。
重ねて申し上げますが、①のシュートも②の古枝も、来年5月には良い花を期待できる枝です。
特に②の枝の最上段(3段目)に丈夫に伸びている枝(今年の5月に花を咲かせたステム枝)は、すぐ左の2本のシュートよりも太く、かつ硬く締まって充実していますので、普通だったら残すべき枝です。
しかし、私は2月の剪定では極端に低い位置で切りたい(「2毎芽(にまいめ)剪定」をする)ために、新しいシュート枝を優先的に残している次第です。
3年目の古枝を使うと、株の背丈が高くなってしまいます。
なお、これが地植えであれば私は①も②も残します。
次に鉢に植え戻します。
例によってマグアンプKの大量投入です。
10号鉢には写真に写っている子供の砂遊び用のシャベル2杯(約250g)、8号鉢にはシャベル1杯(約125g)を入れます。
昨日も書きましたが、マグアンプKは根酸で分解される肥料ですので、必ず用土に混ぜてください。
鉢土の上から蒔(ま)いても効きません。
ここで鉢植えの際の注意事項です。
「ふんわりと用土を入れる」などと書いてある本もありますが、とんでもない!!
鉢の用土は「これでもか!!!」というくらい、固くきつく締めてください。
鉢の側面に沿って移植ごてを何度も何度も突き刺して、用土をぎっちりと詰め込んでください。
付き固めた土の上に株を置きます。
鉢の上部に3㎝程度のウォータースペースが必要です。
それを考慮しながらクラウン(拳骨)部分が土の上に出る深さを見計らいます。
山盛りになって多すぎるとお思いですか?
いやいや、ここでも鉢の側面に沿って移植ごてで何度も何度も突き刺し、土を締めます。
大体良い感じに土が収まったところで、もう一度ダメ押し!
トントンではありません。
鉢が割れない程度にドンドン・ガンガンです。
(スリット懸崖鉢をお使いの場合は、鉢底側面の板状の部分が折れやすいので注意を要します。)
最後に十二分に灌水します。
大きなゴミバケツ(私は薬剤散布の時に使用している120ℓ入りのものを使います)に水を張り、そこに鉢ごと浸(つ)けます。
さらにウォータースペースがいっぱいになるまで、上からも注水します。
つまり鉢底と上と、両方から水を吸わせることになります。
しばらくの間ブクブクと泡(矢印)が出ます。
その泡が出なくなれば鉢を引き上げて地面に置き、余分な水がすべて流れ出るのを待ちます。
その際、あんなに土をギュウギュウに入れたにもかかわらず、用土が陥没していることがあります。
その際には、用土を足して陥没部分を埋めてください。
以上、鉢の土替え2021年バージョンでした。
明日は一日中鉢の土替えの作業を続けます。
根頭癌腫や根の異常など、面白いものがあればご紹介します。