各地から梅雨末期の大雨情報が伝わってきます。
明石もこの1週間は雨続きで地中の酸素が不足しているのでしょうか、地植え株に不自然な落葉が発生しています。
1番花を咲かせたステムの葉が黄変してパラパラと散っています。
散った葉はきれいで、カビや斑点は発生していませんので、これは生理的な落葉であり、病気ではないと判断しています。
今日は夜明け前に雨が降りましたが、午前中は陽射しがあり葉が乾きました。
明日の天気がどうなるか分かりませんので、昼前に慌てて定期薬剤散布をしました。
今日の薬剤のターゲットは、まずはスリップス。
先週末のトクチオンは一時的にはミカンキイロアザミウマ(ひょっとしたらヒラズハナアザミウマ?)を黙らせましたが、その後、連日の降雨で効き目が弱くなったのか、この2・3日の間に咲いた淡色系の花は、弁端が汚れています。
そこで今日は薬剤を変えて、コテツフロアブル+スピノエースにしてみました。
これで効果がなければ、次回は脱皮阻害(IGR)剤を使わなければならないのですが……
次、ついに出ましたオオタバコガ。
汚らしい糞をまき散らしながら花弁を激しく食害します。
↓ は今日の画像ではありませんが、オオタバコガの幼虫は蕾に貫通痕を残します。
成虫は冴えない茶色の二等辺三角形の蛾です。
従来は日本列島南部・対馬・屋久島など、ごく限られた地域のみの害虫でしたが、1980~90年代に日本各地で発生が認められるようになったモノです。
従来の殺虫剤(マラソンやスミチオン、オルトランなど)では効きませんので、オオタバコガの適用登録のある薬剤を使います。
オオタバコガに関して、バラまたは花卉類の適用登録がある薬剤:
アクセルキングフロアブル(劇物)・アクセルフロアブル・アファーム乳剤(注:近年、効きが悪くなっています)・エスマルクDF・オルトラン/ジェイエース(注:実感として「全く効きません!!!」)・カウンター乳剤・カスケード乳剤・コテツフロアブル(劇物)・サイハロン水和剤(劇物)・スピノエース顆粒水和剤・スミチオン(注:実感として「全く効きません!!!!」)・ディアナSC・ハッパ乳剤・フェニックス顆粒水和剤・プレオフロアブル・フローバックDF・マッチ乳剤・ロムダンフロアブル
ミカンキイロアザミウマに比べると、多くの薬剤に効果が期待できます。
なお、上記中、ミカンキイロアザミウマにも登録のあるのは、アファーム乳剤・カスケード乳剤・コテツフロアブル・スピノエース顆粒水和剤・マッチ乳剤です。
お気づきだとは思いますが、私が定期薬剤散布で殺虫剤として使用する薬剤は、基本的にミカンキイロ・オオタバコガの両方に適用登録のある薬剤です。
(なお、登録はありませんがディアナSCはミカンキイロにも効果があるという論文を見かけました。いずれまたご紹介します。)
そしてこれ ↓ はツヤコガネの食害でしょうか?
中型(15mmほど)の茶色がかった緑色のコガネムシ(ブイブイ)で、ドウガネブイブイやハナムグリに比べると、背中(羽部分)が柔らかいのが特徴で、御覧のように葉を食害します。
これまた汚らしい糞をまき散らすのも特徴です。
4m近いツルの先端ですので「犯人」を確認・撮影できておりません。
確認できたとしても薬剤は効きませんので、テデトールに頼るしかありません。
ということで、本日の薬剤は、
サルバトーレME(殺菌剤)……35cc
スピノエース顆粒水和剤(殺虫剤)……20g
コテツフロアブル(殺虫剤)……50cc
バイオアクト(ダニ忌避)……100cc
アプローチBI(展着剤)……100㏄
水……100ℓ
注意:コテツフロアブルは劇物で、購入時には押印が必要です。
また、人によっては(私がそうですが)目にチクチクとした刺激を感じる可能性があります。
出来れば散布時にゴーグルを使用なさることをお勧めします。
明日は、雨が降らなければ鉢植えに肥料を与える予定です。