一部のコンテストマニアが使う手法に切り戻し剪定というものがあります(切りこみ、サマーカットなどとも)。要は7月上旬くらいに低い位置でバッサリ切ってしまうというだけのことなのですが、
- 9月にバッサリ剪定することによる大ショック(による花の劣化)を和らげる
- 9月の剪定前後に古い葉が落ちて、剪定したら葉っぱがなーい!状態の回避
を狙っています。こう書くとコンテストマニア専用と思われがちですが
- 7月にバッサリすることでスッキリする
- スッキリすることで病害虫の予防となる
- 薬剤の使用量も少なくなりラクチン
- 秋に低い位置で、なおかつ花の高さを揃えて咲かせやすい
という副次的効果もあるので、ガーデン派の方にも試してみて欲しい手法です。似たような手法として、9月の剪定前まで葉をしっかり保って光合成させた上で、剪定した後葉を全てむしってしまう自主的丸坊主(葉を全部とることで、黒点病やハダニをリセットしてしまう。強健種に向く)や、時期を更に前倒して葉をむしる前刈り等の手法があります(ブログ担当が勝手に命名)。
上記手法はどんな品種にも向くという訳ではないので、書籍に載っているのは見たことがないですが、色々工夫して試してみて下さい。
話は戻って切り戻し剪定。コンテスト用途に限っても向き不向きはあって、先太りタイプ(切ったりピンチした後に太くなっていくタイプ)で、ステムがそこそこ伸びるタイプに向くと思います。ブログ担当が持っている品種ではコンフィダンスなんかはぴったりです。
ブログ担当が溺愛する品種ファーストレディ・アキエ。美形ではありますが、結構癖のある性格でワガママなやつです。癖の一つに葉が落ちやすいというのがあると思います。ブログ担当は夏に弱いだけと思っていますが、名人様方の意見によるとコンフィダンスと同じく、夏に過剰に繁らせると下葉が落ちる品種とのことです。
葉が落ちるなら切り戻してしまえばいい!と安直な考えで2017年は全株7月に切り戻し剪定を試みました(2016年は一部のみ切り戻した)。するとバッサリいかれたショックで、伸びてきた枝は画像のように一回り以上細いものばかりとなりました(>_<) 結構虚弱なやつです。
細くなったら秋に使えないか?というとそうでもなくて、回復してくるとピンチごとに少しずつ太くなってくるので、基準以上まで回復したステムは秋にコンテスト花を咲かせることも可能です。四国の方はこの品種は切り戻しには向かないタイプと結論付けているようですが、この品種はどう育てるのがいいんですかね~?ブログ担当はクセが強すぎるので、この品種は近い将来他の品種に取って代わられると予想しているのですが・・・。
ちなみにどの品種でもそうですが、剪定した後しばらくしてから枝の途中からすっと伸びてくる細いステム(画像の下から左上に伸びている枝)には良花が咲きます。ファーストレディは結構な確率でこれが出てきます。四国の方に言わせると「この中間シュート的な遅れたステムがこの品種の本命」だそうなので、凝り性な方はこちらをばら展に合わせるようにしてみては如何でしょうか?